2005年11月11日 (金)

肥満遺伝子一つなのに反対のホルモン!

胃や腸から食欲を抑制する新しいホルモンが放出されていることが報告されました。

オブスタチン
と命名されたこのホルモンは、なんと、遺伝子的には、食欲を促進するホルモン、
グレリンと一緒だったのです!

グレリンの遺伝子を解析していたところ、反対の作用を持つホルモンが同一の遺伝子から発現していることがわかったというのです。

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どういうことなのでしょう。スプライシングのされ方で、作用が正反対のホルモンが生まれるのでしょうか?

ジャーナルがScienceなので、大学に行ったときにオンラインジャーナルを見てみようと思っています。

すごく不思議です。

胃や腸から脳の食欲中枢を制御するホルモンが出ている。
正反対の2種類のホルモンが作られていて、その遺伝子は一緒。

エキサイティングな情報です。

採血でグレリンーオブスタチンバランスを見ていくような世の中になっていくのでしょうか?
どうしてもドカ食いしてしまう人を精神論で語ることはなくなるでしょう。

人間の肥満へのサイエンスも日々進んでいっています。

ほんとにエキサイティング。
このまま、サイエンスが進化していってくれることを祈ります。
そうすれば、数年で私のやりたいことが実現できるかもしれません。

未来を信じて、土地を耕し、水を引き良い畑を作る。

私にはそれしかできません。

種も自分で作ることはできない。

ひたむきにその作業を進めましょう。

その作業を毎日積み重ね、良い種がやってくることを待つ。

その後は太陽の光や良い風が吹くことを待つばかりです。

こういった作業には時間がかかります。
ゆっくり粘り強く作業をし続けなくてはなりません。

数年後がとても楽しみです。

投稿:by ドクターレポリス 午後 03時58分 in 09.ダイエットの話題
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2005年10月17日 (月)

肥満の遺伝子制御

私たちは、栄養をとり、吸収し、さまざまな活動を行い、栄養を代謝分解し生活しています。

吸収された栄養や、体に蓄積した脂肪や糖などの栄養素は常にそこにとどまっているわけではなく、常に作られ、常に分解されています。

それらを制御しているのは、細胞表面にあるレセプターというホルモンの受け皿であったり、細胞の中のミトコンドリアの効率であったりするわけです。

脂肪細胞表面にある、アドレナリンβレセプターが脂肪の代謝に重要な役割を果たしていることが報告され、日本人にも数多くの変異を持つ方がいることがわかりました。

アメリカのアリゾナ州のピマインディアンという民族では、7~8割が肥満や糖尿病であることで注目されました。
遺伝子を調べてみると、約半数の人からβ3アドレナリン受容体(β3AR)の遺伝子に変異のある事が分かったのです。

また、脱共役蛋白質1(uncoupling protein: UCP) UCP1は、細胞の中にある「ミトコンドリア」という小器官の中に存在するたんぱく質であり、中性脂肪が分解されてできる遊離脂肪酸をミトコンドリア内で燃やす働きがあります。

UCP1に変異を持つと、その効率が悪くなり、脂肪の分解が低下します。

BMAL1などの脂肪蓄積遺伝子が22時以降に20倍になることも知られてきました。

肥満も遺伝子レベルで、解明されつつあり、遺伝子型によるダイエットがテーラーメード医療となっていくことでしょう。

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この二冊は大変に参考になりました。
でも、肥満に関与する遺伝子はつまり、エネルギー代謝にかかわる遺伝子であり、非常に多くの遺伝子の関与が考えられます。

とりあえず、脂肪細胞、ミトコンドリアなどの器官別の遺伝子異常と肥満を結びつけた点に大きな進歩があると考えられます。

私が進めてきた、低脂肪低炭水化物高たんぱくダイエットももう一度、遺伝子レベルで考えてみることにしました。

男子はやはり、トレーニングによる筋力アップを併行して進める必要があると考えています。

果物ダイエットとか、酢によるダイエットとか、何かを摂取しやせるというのは基本的には幻想だと思っています。

肥満はエネルギー代謝の生理学的見地から考え、ダイエットは実施されていくべきものだと思っています。

投稿:by ドクターレポリス 午前 11時55分 in 09.ダイエットの話題
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2005年10月 1日 (土)

ダイエットと代謝

体重減少がストップしていましたが、ここに来てまたゆっくり下降を始めました。

中間地点に立っていると考えています。

心肺機能も少しずつアップしてきているようです。

これらのことを考えるといくつかの点が考えられます。

さらなる体型の変化のための考察をしてみたいと思います。

体重増加は私の場合、単純に脂肪の蓄積だけではなかったのです。

食事内容や筋肉量の低下、心肺機能の低下など複合的な問題だったと思います。

最初、ダイエットを開始したころ、運動すると
息がきれる
足が重い、つる感じがする
脈拍が速くなる
などの自覚症状があり、「もう動きたくない」と思ったものです。

非運動時は、常に無性に空腹感があり、食欲のリズムがありませんでした。

今は、「運動しないと体がむずむずして居心地悪く」
運動時にもあまり息切れしなくなってきました。

ダイエットとは何でしょう。

いろいろな考えや目標があると思います。

私はやはり、信州の病院に勤めていて、裏山を朝走り回っていた12年前の心肺機能と筋力を取り戻すことが目標です。

そう考えると、私の体はたくさんのことを、きっと しなくてはならない。

単純に脂肪を減らすという問題ではない、体の仕組みの変化を待たなくはなりません。

例えば、これまで①過剰エネルギー摂取で来た消化管や肝臓などの内臓の機能の変化。

②自分の脂肪細胞からエネルギーを取り出すという、異化過多の代謝状態。

③ぬるま湯の生活で脂肪がたくさん蓄積し、筋肉量が落ちている体の構造の変化などが必要です。

①についてですが、私は、空腹感を強く感じる人間で、飲酒後、食欲が爆裂しやすい。
BAL1が20倍の22時以降はほとんど食事をとらないようにしました。

それでも、これまで、大量に食事を取っていた人間が食事量を減らすと、内臓が食物を求めます。

また、これまで、余剰エネルギー蓄積期間だった肝臓が、糖新生といい、不足糖分を生産する逆回転を始めなくてはなりません。

②については、同様で、これまで蓄積一方だった脂肪細胞から少しずつエネルギーを取り出すサイクルに体が入らなくてはなりません。

脂肪細胞は自分がなくならないために必死に抵抗します。

そんなことない、かもしれませんが、私は脂肪組織の抵抗を感じました。
たとえば、空腹感やめまい感がそうです。

脂肪細胞は、インシュリン量を増やしているため、ダイエットをすると、平衡にたっするまでインシュリン量の相対的増加を起こしやすい(間違っているかもしれない)のではないでしょうか。

また、代謝系に傾くと、どうしても低血糖状況と、脂肪からエネルギーを作る過程でめまい感を感じやすい。

ここで、間食などをしてしまい、ダイエットに失敗するのです。

血糖値の低下は人に食欲を強く覚えさせます。

そして、脂肪細胞は生き延びようと考える。

最後に③についてですが、ここがもっとも大切です。

低炭水化物高タンパクダイエットで目指しているのは、筋肉量の増大を伴う脂肪組織の減少です。

そう考えると、もともと血管の乏しくタンパク量の少ない脂肪組織を、血管の発達した高タンパクの筋肉に置換していく作業が必要となります。

これは結構大変な作業を、体がしてくれているのではないかと思います。

ダイエットを開始し、最初順調に急速に低下部分は、余剰中の余剰脂肪などが代謝されただけだと考えられます。

一定の状態から下がりにくくなっている今の状態は、まさに③の作業が進行していると考えられます。

例えば、体重を落とすだけなら、絶食もいいかもしれません。
でも、筋肉量が低下するなら、私は絶食はしたくありません。

それに、たぶん、私のような体の人間は絶食をすると脂肪より筋肉が先に減る。

食事を再開しても筋肉はすぐには増えない。
結果的に、さらに蓄積するのは脂肪です。

ここから、演繹される次のやるべきことが見えてきます。

簡単なことです。

①運動量の更なる増加
②より徹底した脂質と炭水化物の排除(本当はアルコールの排除)

です。
①により、より筋肉量を増やし、
②により、脂肪細胞の原材料の流入を遮断する。

ここ二週間はこれを徹底してみようと考えます。

その結果をみて次に進みます。

でも、ダイエットって生理学で習った代謝を復習しているみたいで、面白いなあ。
昨日は、教科書の脂肪の分解や、ウエブ上の最新の脂肪代謝について勉強しました。

やっぱり面白いです。
学生のころは机上の空論のように感じていた、代謝生理学を実践している。

脂肪代謝を自分の体で実験しているのですから。
たくさんの運動をして、イライラしないで体重と体脂肪率の減少を待ちます。

投稿:by ドクターレポリス 午前 07時37分 in 09.ダイエットの話題
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2005年9月15日 (木)

脂肪塞栓

私は自分の腹をつまみ、切り落としたい衝動に何回もかられました。

世の中には脂肪を掃除機の様なもので壊しながら吸い取る、脂肪吸引という方法があります。

本当にこの脂肪をすいとってくれたらなあ
と何度思ったことでしょう。

でも、脂肪吸引には怖い合併症があるのです

それが脂肪塞栓と呼ばれるものです。

脂肪塞栓は、動脈の中に脂肪組織のかけらが入り込み、動脈をふさいでしまう恐ろしい病気です。

例えば、心臓に血液の固まりができて、脳の動脈に詰まることを脳血栓症といいます。
この場合、栓をするのは血液の固まりなので、「血栓」というのです。
これは、重症の脳卒中の大きな原因となります。

塞栓、というのは動脈をふさいでしまう(塞いでしまう)せん(栓)ができてしまうという意味です。

脂肪吸引で破壊された脂肪組織のかけらが動脈に沢山入って、全身に散ったために、特に肺動脈が詰まってしまい亡くなった事故が今日報告されました。

脂肪塞栓です。

脂肪は溶かすことができませんから、実は起きてしまうと処置無しなのです。

脂肪は皮下脂肪だけでなく、骨髄にも沢山あります。
ですから、骨折したときなどにこの脂肪塞栓が起きるととてもやっかいです。

極太い血管に詰まっているなら、取り除くこともできますが、細い血管に無数に目詰まりを起こしてしまうとお手上げ(ひどいときには命取り)です。

がんばって、食事と運動するのみです。

山岸さんは、鍛えているだけあって、すごくかっこいい体型でした。
うらやましい。

低炭水化物高蛋白ダイエットにより、ちょっとだけ筋肉の割合が増えてきました。
体重は低下が止まっています。
体の質が変わってきたと考えています。
脂肪より、筋肉の方が体積が少ないので、体重変わらなくてもウエストは4cmやせました
ダイエットは面白いですね。

医学で言うと、代謝生理学です。

投稿:by ドクターレポリス 午後 02時25分 in 09.ダイエットの話題
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2005年9月12日 (月)

ダイエットを始めて3週間

いま、ダイエットに励んでいるわけですが、これは、自分の体で代謝病(生活習慣病)の実験をしていることでもあります。

代謝病とはなんでしょう。

これまで、成人病 と呼ばれていた物は、成人になると仕方なしになってしまって、治らないというネガティブなイメージでした。

これを生活習慣病という、習慣の改善が大切というポジティブなイメージの名前にしたのは、日野原先生のご業績です。

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ところが、最近、肥満を初発とする、体の中の代謝異常(エネルギーバランスや物質の合成と処理)が、いろいろな生活習慣病の原因であることが、分子生物学的に明らかになってきました。

わたくしは、今、肥満と高血圧についての論文を書いて発表予定なのですが、まさに、肥満は万病の元です。

肥満体がマックスだったとき、私は血糖値が上昇するより、高血圧となってしまいました。

一緒に講演会をさせていただいた藤田敏郎先生の著書には最近の高血圧について、詳しく述べられています。サインしていただいた御本は私の宝物の一つです。
藤田先生は若い上にハンサムでクールな先生で本当に尊敬する先生のお一人です。

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私は、運動と炭水化物の制限、高タンパクという“三位一体”のダイエットに励んでいます。やはり、男性も女性も筋肉量が少ないと、うまく痩せられません。

十分なタンパク質を取らなくては、筋肉量も減ってきてしまいます。
それに、タンパク質が胃粘膜に張り付くので空腹にならない。
私は、ストレスフルな生活&アルコール漬けなので、空腹との戦いが大切な重点項目です。

また、筋肉が落ちてしまっては、体重が落ちても見かけだけであり、やがて恐ろしいリバウンドがやってきます。

武蔵野日赤病院
という救急病院勤務の時には、近くの中華料理屋さんの鳥ソバというラーメンばかり食べていました。

太りやすい体質の私は、看護士さん達に「デブが何とかなると医者としてかっこよくなる可能性が増すのに(論文調では)」といつも言われていました。

看護士さんにあきれられるたび、悲しくなり、食事量をへらし、ジムやダイビングにも行ってましたが、リバウンドの繰り返しでした。

三宅祥三 院長先生にも会うたびに「おう、貫禄ついたなあ」といわれましたが、ついたのは知識でも貫禄でもなく、脂肪だったのです。

今考えると炭水化物の固まりをBMAL1が20倍の魔の22時以降に食べていたわけです。

分子生物学的に、私は、日本人に多くある、炭水化物で太る体質であることを学習しました。

そこで、一日の必要タンパク質はそのままで、筋肉トレーニングを開始し、炭水化物は極力避けるようにしました。

そして、三週間で今のところ2-3kg痩せてきています。持久力と筋力は逆にアップしました。
高血圧は上限ぎりぎりに抑えられてきましたがまだまだです。

患者さんに「食生活と運動で薬止められますよ。」と申し上げている手前、この年齢で降圧剤だけはお世話になりたくないなあと思っています。

お医者がデブでは説得力ありません。

デブの戦いは続きます。
だいたい、日本の食生活が高カロリーに傾きつつあるのです。


脱牛肉文明への挑戦―繁栄と健康の神話を撃つ
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それは、経済の戦略でもあるのですが、また次回。上記の本に詳細があります。
ちなみに、あるソーダ水は500ml一本は軽食一食分のカロリーがあります。
これらが経済を回しているのです。

ダイエットが成功したら、今でも武蔵野日赤病院に勤務されている看護士さんにお会いしに行きましょう。
拙書も好評ですので・・・今日確かめたら、あと三冊に著減しておりました。

副作用―その薬が危ない
439611012X 大和田 潔

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stars最先端の事が書かれています
stars薬についての本はたくさんありますが・・・
stars副作用のからくりがわかりました
stars体の仕組みについての説明も詳しい本

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(どうやら、品薄になってしまっているらしい。患者さんが三省堂まで行ったのに、この本だけ無かったとおっしゃっていました。この方にはご説明に使っていた外来の本を進呈することにしたのですが・・・)

私が自分の体の実験のために学んだ、高タンパク低炭水化物ダイエットについても次回。

体調崩れませんし、ふらふらしないのがいいです。

投稿:by ドクターレポリス 午前 10時20分 in 09.ダイエットの話題
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2005年9月 9日 (金)

私は太り気味です

医師は忙しくて、運動できない上に、食事も不規則で、ストレスも強く、そのための酒量も多く、太らざるを得ないような環境です。

いま、一生懸命ダイエットに励んでいて、少しずつ効果が現れてきていますが、私にとって衝撃的な報告がありました。


BMAL1という、体内時計を司っているタンパク質が、細胞の肥満蓄積にも関与していると言うのです。 


さらに太りすぎだと大腸ガンになりやすいとのことです。ガーン。

これまで、食べて寝ると消化管の働きが良くなり太るのではないかと漠然と考えられていたところに一つの真実が明らかにされたのです。

夜中では、昼15時の20倍もBMAL1が多いというのです。

これまでの私は、仕事が終わって帰宅した23時頃から、家族を起こさないため、独りでビールを飲み、唐揚げや餃子を食べ、焼酎を飲んで終わる(ひどいときにはマクドナルドの夕食)という事も多かったのです。

これは、なんと、脂肪の蓄積に励んでいたことになるのです。
また、太り方も遺伝子によって支配されている事が判明しています。
http://www.tanita.co.jp/bwl/diet-q_a.html

その人の遺伝子情報に沿ったダイエットがこれからプログラムされていく世の中になるでしょう。これは、テーラーメイド医療と同じ考え方です。

BMAL1の効果は、これらの遺伝情報と独立して、どの人にも共通して働くタンパク質であると考えられます。
私は、少なくとも22時からの食事や、間食は止めることにしました。

時間が無くても、22時前に食事は終わらせることにしました。

代謝病のところでお話ししましたが、肥満は代謝病の始まりの最も重要な点です
肥満を患者さんと一緒に退治していきたいと思っています。
運動と、カロリー制限。そして食事の時間。

OL主婦の節約生活さんや、独身派遣OLダイエット日記さんなど、励まし合っていくのも良いことです。独りでダイエットは寂しい物です。OL主婦さんのレシピを時々参考にさせていただいております。

代謝病についてはまたゆっくり書いていくことにしましょう。

投稿:by ドクターレポリス 午後 07時20分 in 09.ダイエットの話題
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