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2005年12月18日 (日)

ジェネリック薬など薬の選択について

先日、高血圧治療薬についてのセミナーに参加しました。

高血圧自体が脳梗塞や、心筋梗塞のリスクになることは疫学的に周知の事実となりました。

ですから、高血圧治療をすれば、これらの合併症のリスクは低下します。

最新の高血圧の治療は、血圧を下げるメリット以上の効果を有するかどうかに議論が集中しています。

利尿薬、ベータブロッカー、アムロジピン(アムロジン、ノルバスク)などのカルシュウム拮抗薬、エナラプリル(レニベース)などのACE阻害薬、アンギオテンシンIIレセプター阻害薬(ARB)の比較が行われています。

その結果、心血管系イベント、総死亡率など色々な面で勝っているのは現時点ではACE阻害薬だと考えています。

ある薬では血液中のアンギオテンシンIIが数百倍から数千倍に上昇する事が知られており、やがて、その意味が分るときが来るだろうと
、既に拙書 副作用の本で触れていました。

いま、その臨床的データが出始めてきているのです。

僕としては、インフルエンザ薬、ED薬に次いで、三つ目の予想した副作用に臨床的マススタディによる証拠付けが追いついてきた感があり、非常に感慨深いものがあります。

また、ジェネリック薬が安価であるということで色々な方面ですすめていこうとする機運があります。

「高血圧の薬」といっても、このように差別化がなされています。
ジェネリックに全部一緒くたにスイッチすることはできません。

品質は別として、ジェネリック薬は特許が切れたために、安価に製造できるようになったお薬です。そのため、値段も安いのですが、開発メーカーが特許を持っている新しい高性能な薬品はまだジェネリック薬がありません。

高血圧のお薬は、おおよそ一日あたり、

先行薬
旧型カルシウム拮抗薬 60円位
新型カルシウム拮抗薬 100ー200円位(日本ではまだジェネリックまだありません)
旧型ACE阻害薬 200円位(発売が早かったので薬価が高い)
新型ACE阻害薬 80-150円ぐらい(発売が遅かったので薬価が安い、ジェネリックまだ無し)
ARB 200-300円位(一番新しい薬、ジェネリックはまだありません)

後発(ジェネリック薬)
旧型カルシウム拮抗薬 20円ぐらい
旧型ACE阻害薬 15円ぐらい
となっています。

品質などは別として、この中で、値段と性能の比がよいのは、イミダプリル(タナトリル)のような新型ACE阻害薬だと思っています。
先日も、循環器の専門家の先生方がACE阻害薬だけが心血管系の発作の低下と死亡率の低下のエビデンスを持つという御話でした。

医者の世界も、コマーシャル原理が働いており、高価な新薬が魅力的に写ります
しかし、大切なことは、患者さんの健康を経済的な面も考慮しながら前に進んでいくという姿勢だと思います。

身内に循環器トラブルが発生し、まさにわが身の問題でもあります。

クリニックを行うと、窓口が横にあることもあり、このような薬価の大きさも身に染みる問題です。患者さんと御支払いの御話をする機会も増えました。

上のデータの通り、ジェネリック薬の切り替えはどのような場合良いかの選択基準も見えてきます。

旧型の特許の切れた先行薬を用いている場合
が最もスイッチすべき良いところではないでしょうか。新型の薬には旧型に無い良さが備わっていることがあり、そのため、スイッチできない可能性があるのです。

健康を守るエビデンスがあり、値段も安い、そのようなチョイスをしていくことが大切だと思っています。

セミナーを終え、今、ホントかどうか、生論文をダウンロードして読んでいるところです。
一つ読むのに15分から30分はかかってしまう。
人生は短く芸術(医学の道)は長い。

まさにその通りだと実感しています。

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