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2005年12月10日 (土)

患者さんからのお礼

昨日 ある患者さんの御母さんから、

「ほんとに良くしてくれてありがとうございました」
とお礼のお菓子をいただきました。

多忙で休み無く働いていた息子さんが、急性胃腸炎で脱水症状になってしまったのです。
午前中、内服薬をおだしし、水分を補給し休養をとるように御話し、いったん帰宅されました。

その後、御昼過ぎに「やはり調子悪い」という電話を頂戴したので、すぐに再診するようにお伝えしました。

いらした彼は額から冷や汗が噴出しており、歩くことも難しく、ただ事ではなさそうでした。

急ぎで点滴をしながら、採血を行い、同時に救急病院受診が必要だと思いました。

そこで、住まわれている地域の救急病院にあたると、幸運なことに引き受けてくださるとの連絡を頂戴しました。

ある程度点滴が行われたところで、少し歩けるようになった彼は、救急病院へ急ぎました。

緊急検査の結果、やはり過労と脱水によるものということで、数日で改善したとの事でした。

私は喜ばれているお母様をみながら、いくつかのことを考えました。

総合病院では、午前中拝見するのに1時間待ちはざらです。
電話しても午前中の初診担当の先生に電話がつながる可能性も低い。
だから診察後、具合が悪くなったからといって、その日のうちにすぐ再診できる可能性も低い。


カルテ庫からカルテを出して他の医師が答えなくてはならない。

医者も忙しいので、お答えもぞんざいになりやすいです。

つまり、総合病院は外来の病態の変化に対応する小回りが利かないシステムです。
その代わり、いくつもの検査設備を有し、診断効率をあげることができる。

今回、私は、「医療のすみわけ」ということを痛感しました。
救急病院、大学病院、総合病院、在宅医師、個人医院、さらには医師教育の教官などといろいろな医療形態の最前線で兵士として戦ってきた中で、それぞれの特徴がよく見えてきました。

このような機会を与えてくださった医局に心からに感謝しています。
それぞれの機関で全力で戦ってきたことはすべて現在の血となり肉となっています。

そして、それらがうまくかみ合う医療体制の充実こそが重要なのだと痛感しています。

プライマリケアという言葉は概念的にいろいろ議論されていますが、こんなところが最初の一歩なのではないでしょうか。

私にはそのことについての良い文章が書けそうです。
今年のシンクタンクの論文はそこを主眼に書くことにしましょう!

クリニックの診療は患者さん密接型で小回りが利くので、私にはとても好ましく思えます。

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