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2005年12月 8日 (木)

じょくそうのセミナー

じょくそうのセミナーに参加してきました。

じょくそうは、身動きのできない方の皮膚に圧迫による障害が出る病態です。
ひどい場合は、潰瘍(かいよう)となり、命を脅かすこともあります。

胃ろうの皮膚病変の論文を書いた御縁で、セミナーのご案内が来たのです。
このような潰瘍には、創傷被覆剤といわれる特殊なものが用いられます。

その先進性から、世界的にトップを走っているCONVATEC社から招待されたのです。
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新宿の街はクリスマス一色。
今年は、ブルーホワイトの飾りつけが多いようです。


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地図をみて、行くべきところを探します。
新宿はサイバーな街で、さっぱり分りません。
難しい。

やっと見つけて、会場へ行きます。

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デンマークの形成外科教授、Gottrup先生の講演です。
非常に興味深いテーマの連続です。
デンマークにおける皮膚潰瘍治療の最先端の講義が聴けました。

Gottrup先生は、皮膚潰瘍だけを扱う専門病棟を率いるトップです。

そのようなシステムはまだ日本にはありません。

講演会の後、国際頭痛学会のときと同様、『突撃質問』です。

『在宅における皮膚潰瘍の管理はどうなっていますか?』
については、
『在宅医療における主役は看護師です。私たちの教育を受けた看護師は皮膚切開やデブリードメンを含めたさまざまなセラピーを行います。私たちはそのようなスタッフを育てているのです。』ということでした。

振り返って、日本の在宅の皮膚潰瘍の治療はどうでしょう。

厚労省の創傷被覆剤の扱いも私は困ったものだと思っています。
なぜなら、創傷の外側に使うものであるため、ヨーロッパや米国など外国ではデバイス(医療用具)として、内服薬とは違うシステムで扱われているのに、日本では内服薬並みの扱いとなっています。

ですから、医師が訪問したときしか、優れた創傷被覆剤が使えない。

日本の在宅患者さんは継続した良い治療が受けられないのです。

なんということでしょう!!

ホントに困った問題です。

Gottrup先生はおっしゃっていました。
『全人口の1%が皮膚の何らかの潰瘍を持っており、糖尿病の有病率は3%で今後も増加する。糖尿病の患者さんのうち10%は皮膚潰瘍を発生する可能性があり、その4分の1は手足の切断を考慮しなくてはならないほどである。』とのことです。

つまり、糖尿病だけをとってみても、糖尿病性下肢潰瘍(diabetic foot ulcer:DFU)が大変に増加していくということです。

彼らは在宅医療を受けることになるでしょう。
そのとき、日本ではよりよい創傷被覆剤が使えない。今の在宅医療では、医師が毎日診察することは不可能だからです。

こんなに豊かな国なのに、日本の皮膚潰瘍をもつ在宅の患者さんはガーゼだけになりそうです。

すばらしいデバイスがあふれているのに。

こんなに悲しい思いになったのは久しぶりです。
医療費削減は、こういったところに帰ってくるのかもしれません。

改善の余地ありです。

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