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2006年1月24日 (火)

ノロウイルス・急性胃腸炎の原因

最新号のAnnals of Internal Medicin(アメリカ内科専門医の雑誌)に、感染症の最新(最近)の話題が載っていました。

昨年度から、ノロウイルスによる急性胃腸炎が多発しましたが、独りだけ家族で発症しない人もいました。

その事を説明する時に、私は、『抵抗力が強いのでウイルスの増殖に待ったがかかったのではないでしょうか。』とお話しすることが多かったです。

ところが、このレビューでは、『約30%の人が不顕性(感染しても症状が出ない)のキャリアーとなる』との記載がありました。

『感染しても
症状を出さない人もいる』という説明を加えるとより良かったわけです。
これは、良い情報でした。

もう一つ、イラク帰りの兵士の話が載っていました。

イラク戦で負傷した兵士に多剤耐性(多くの抗生物質に抵抗性を持つ)Acinetobacter/アシネトバクターが発生し、その毒性から何十年も使われなかった、colostin/コリスチンだけが有効だったという報告がありました。

こちらに詳しい説明があります。

アシネトバクターは広く土壌などに生息する菌ですが、その困った点は有効な抗生物質がほとんど無いということです。

こういった、抗生物質が効かない菌というのは、MRSAが有名です。

アシネトバクターにはカルバペネム系の抗生物質が効果あったのですが、それさえも効かないたちが悪い菌が広まっている事を示しています。

日本でも院内感染症を起こし始めています。

colostinというのは聴きなれないので、調べてみると、ポリミキシンEに属する抗生物質という事がわかります。

コリスチンは内服薬がありました。

ポリミキシン系には、ポリミキシンBと言うお薬がありますが、これも外来ではあまり使われない抗生物質です。

こちらに、日本語訳の要約がありました。

勉強しないと知らないことばかりです。
ああ、人生は短く芸術は永い。(本当は誤訳で、技術を学ぶには人生は短いというのが本当の訳だそうです。蛇足。)

アシネトバクター、コリスチンやポリミキシン系薬剤
は頭の片隅に置いておいて良い知識だと思います。

普段は安心してよいと思いますが、こういったものは院内感染や特殊な状況において、時々アウトブレイクするからです。

でも、アメリカの雑誌は良いです。日本の学会誌が疾患に偏りがちなのに対し、こういった面白い疫学的な話題が多いです。

子供に肺炎球菌ワクチンを打つと(肺炎球菌を持ちにくくすると)、大人のエイズの患者さんへの肺炎感染症が減るか とか、お年寄りにタンパク質とエネルギー源になるサプリメントを加えると病気になりにくいかどうかなど、結構面白いです。

これからも時々、有用な情報をお知らせしたいと思います。

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