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2006年3月17日 (金)

電子カルテ考

電子化の波は医療にも押し寄せています。

医師以外のほとんどの検査機器は電子化され、数量化されています。

レントゲン写真もデジカメと同じで、データとして記録されます。

カルテも電子化されようとしています。

紙とコンピュータ。

永遠の問題が少しあるようです。

私は絵を描くのですが、タブレットで描き始めたことがあります。

性能の良いタブレットだったのですが、結局、鉛筆と水彩やアクリルに戻りました。

タブレットには匂いが無かったのです。

紙にしみこむ水の音もしない。

タブレットの方が良い作品が書ける方も沢山いらっしゃるでしょう。

でも、水彩用紙にしみこむプルシアンブルーの顔料のあの感じがなくては、頭痛の本はかけなかった。

いま、手書きのカルテから電子カルテに移行するに当たって、悩んでいる先生が沢山います。

手書きをやめたら、患者さんの顔を思い出せなくなってしまった。
手書きをやめたら、会話が減ってしまった。
手書きをやめたら、思考が単純になってしまった・・・

プルシアンブルーも、水彩用紙のにじみも今のコンピュータの能力なら再現できるでしょう。

でも、人間の生身の作業は性格にトレースするだけではダメと言う事です。

人間は幾つもの状況を肌で感じながら生きて作業している。

鼻歌を歌いながら作業するのも良いでしょう。

かんなで削る木の匂いをかぎながら家を建てるのも良い。

それでは、デジタルに電子化することは生身の診療に全くそぐわないのか。

はっきりはまだ判りません。

ただ、電子化が進み、インターネットが普及し、大変に便利になりました。

携帯電話で自然な小説を書く人々が現れつつあります。

私は、個人的には、患者さんへの思いやりを持ちながら、電子化を進めてみたいと思っています。

そのためには、やはり、システム自体のレスポンスはもちろん、インターフェースを含めた改善が必要だと思います。

こちらに、悪夢のようなレスポンスの遅さによる、電子カルテによる医療崩壊の現状が示されています。

この時間を患者さんの診察に割けないのは本当に悪夢です。

人間が人間を治す手伝いをするという医療。

それを支援するデバイスには高度な工夫が必要だとおもっています。

そして、そのデバイスが進化すればするほど、人はたぶんそのデバイスを使っている事を忘れる。

欧米では、医師の診療を見ている事務方が電子デバイスに打ち込んで言っているそうです。

日本の貧しい保険診療では無理な話です。

使っている事を忘れる。

紙カルテよりはるかにすばやく業務がこなせる。

そんな電子カルテシステムが早く登場する事を祈っています。

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