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2006年4月 9日 (日)

しなやかに力強く生きるということ

私は、再来週インタビューを受ける事になりました。

『しなやかに力強く生きるということ』という事についてお話しようと思います。

昨日、『多角的に考える大切さ』について、少しお書きしました。

起きてきた現象にヒステリックに画一的に反応する事は、物事を作り上げる事にはならないし、逆に大切なものを破壊してしまうという事でした。

今の子供たちは、食品添加物の組み合わせによる、合成された非常にシンプルで強烈な味しか分らなくなっているといいます。

御ダシをとった、手まひまかけた味を『まずい』と感じるそうです。

そして、またその合成された味を求める。

詳しい話は、こちらを御読みください。

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自分の子供たちにもその味を伝える。
そうやって、ジャンキーな味しか分らなくなっていき、伝統が廃れる。

同じ事です。

塾通い、御受験も全く同じ。

テストには答えがあり、同じ時間でどれだけ正確に正解できるかだけを競うゲームのようなものです。

私自身、受験そのものを自分の脳の限界を試すゲームとして楽しんでいた事を思い出します。

非常にシンプルです。

『なぜ数学をしなくてはいけないのか。』『なぜ物理を学ばなくてはいけないのだろう。』
『なぜ勉強しなくてはいけないのだろう。』

答えなんか無いのです。
科目によっては将来役に立つものもあるでしょうが、日本史の年号など、私はほとんど忘れてしまいました。

受験があるから勉強する。そして突破すれば合格する。

それだけです。

でも、大切な事は、その後ろに隠れているのです。

勉強するという事は、自分の性質を知ることになり、我慢をする事になり、知らなかった沢山の事を調べる事になり、競争社会を知ることになる。

あるいは、自分の得意分野を見つけられるかもしれない。

私は理科と数学は余り勉強しないでもいつもほとんど満点で、国語と社会は全くダメで、理系の人間なんだなあと思っていました。

星の話や、生物の話など理系の論文は海外のものを紹介する雑誌で、高校生のときから読み漁っていました。

National Geographicsが大好きでした。
今のようにインターネットはありませんでしたから、三省堂脇の古本屋さんや丸善の前の露天に一冊50円ぐらいで置かれる少し古い号を読んでいました。

難しい最先端の論文を読破した後、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んで何回も涙したものです。

受験勉強を進める、その過程自体に意味があれば、ある学校に落ちたって、得るものがいくらだってあるでしょう。

お金を得られなくても満足を得る事ができる。
お金がいくらあっても満足は得られない。

お金というシンプルなものしか見えないと、人間という生き物を見失います。

公衆衛生の面からも、富やお金と健康や満足がイコールでは無い事が健康格差社会という本に、沢山の調査の結果とともに詳しく書かれています。

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私は、生き様というのは工夫次第でどのようにでもなると思っています。

何といっても、社会自体が人間の多様性を求めている。

沢山の様々な能力を発揮して、組み合わさって社会はできています。

私も多様な職種の人たちとお話しすることで、ものすごくインスパイアされています。
来週行われる読書会もものすごく楽しみです。

どの子供たちにも、実り大きい人生を歩んでもらいたいと願っています。

シンプルなものしか判らない人生は破滅します。

多様性を感じる事。

目的に達する道は一つではないということ。

人との付き合いや、社会との付き合いは1か0かでは割り切れないということ。

人生の上で起きてくるいろんな事には、幾つ物側面があるから、すぐに落胆したり、怒ってはいけないということ。

まさに、『しなやかに力強く生きていく考え方』が大切だと思っています。
受験技術とは違う、沢山の人と仲良く、楽しく生き抜いていくコツ。

なんら不思議な事は無いのです。
怪しげなものも特別なものも必要ない。

たぶん、『生きるうえでの考え方』といったものでしょう。

これから、子供たちに日本が直面していく様々な現象の中で力強く生きていって欲しいと思います。

医療を通して感じた事を、インタビューでお話しようと思っています。

インタビューが掲載されましたら、またお知らせいたします。

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