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2006年7月10日 (月)

『にほんご』と『国語』/私たちのことば

にほんご
にほんご 安野 光雅

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starsなぜ題名が『にほんご』であって、国語でないのか
stars子供にも大人にも永遠の「にほんご」
starsすばらしい!
starsはじめて”にほんご”にふれるこどもたちへ

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『にほんご』は私たちの論理構造の基礎です。

どれだけ、『国語』の教科書が不十分か、教えてくれる書です。

谷川さんの『にほんご』にかける熱い思いの書です。

『にほんご』は世界中で話されている様々な言語の中の一つのしっかりした体系を持った一つの言語の一つです。

ところが、言語学をふまえた見地から書かれた『自国語』の教科書は日本にはありません。

また、そのような教科書を選択する自由もありません。

そのため、心ある先生方は沢山の教材を準備して、国語の教科書の不足部分を補っています。

私たちも、子供たちのために、より良い母国語のための教育ができるはずです。

「他の国の母国語の教科書には、筆者がいるんだよね。」谷川さんはそう語ります。

この書は谷川さんが編集者代表として、そして、名だたる『日本語のエキスパート』四名の方が著者として筆者として責任もって自主的に作成されました。

『国語の教科書は30人以上の編集委員はいるけれど、そんなに沢山の人が居たら、だれが著者かわからないよね。』

本当にその通り!

『国語』の教科書はのっぺらぼうな、日本語のカタログであり、パンフレットにすぎません。

外国の人に、日本語会話を教えるテキストのようです。

日本には、日本語の文化が根付いているわけですから、その上での日本語教育と言うものがあるでしょう。

日本語を話す私たちの子供たちは、すでに自然に日本語に接しているのです。

その響きや、リズムや、季節感のある言葉や、言語体系に です。

文の前後から、主語を省略しても良い、言語体系に です。

日本語に主語はいらない―百年の誤謬を正す 日本語に主語はいらない―百年の誤謬を正す
金谷 武洋

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時として、こどもは主語を省き過ぎて、何を言っているか解らなくなります。
そして、間合いをつめて行く。

英語圏では、無理やりに作った主語を子供たちは間違えて、そして間合いをつめて行く。
時間や天候のitやとりあえず必要なtheyなどがそれにあたります。

この本の著者の彼らは、決して、『日本語研究者』でもなく、教授などの『肩書き』でもなく、『美しいにほんご』を日本語を話す日本の世の中に問うて生業としてきたプロの方々です。

どちらが、にほんごを良く知っているか、日本語を使う智恵があるか、かれらの作品をみれば一目瞭然でしょう。

日本語がわからなくても、教授になるための論文は書けるからです。

私も、英語はわかりませんが、英語で論文はかけます。

論文は事実を正確に繰り返し記載するだけであり、その内容が重要視されます。
ですから、端的に言うと、事実がきちんと伝われば、美しい文章である必要は無い。

ところが、日本で言葉を話し始める子供たちにとって、一生その人の脳に生き続け、論理体系の基礎となるのは『にほんご』です。

祖国とは国語 祖国とは国語
藤原 正彦

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論理的思考における国語の大切さは数学者、藤原正彦さんも触れています。数学の問題も、日本語が解らなければ、問題自体を理解する事すらできないでしょう。

その『にほんご』の言語体系を学ぶためには著者のいない『国語』の教科書では内容も量も大幅に不足しています。しかも、言語学からの視点が完全に欠如している。

最後に帯の文の内容を少し添えてみます。
『読み書きよりも話す、聞くことを先行させています』
『言語を人との関係をつくる行動のひとつとしてとらえています』
『今私たちの使っている言葉を、地球上にある沢山の言葉のひとつ、日本語としてとらえます』

これらの文章に、この本の思い全てが記されています。

若い親のみなさんは自分の子供たちのために、おじいちゃんおばあちゃんは御孫さんのために、若者は自分の『にほんご』のために購入して手元に置き、必読するべきです。

本書の中には、花が咲き、枯れていく数多くの絵だけのページがあります。
その後に、時間についての美しい文章が載っています。

私はこの本を開くと、日本語の柔らかさと優しさに接し、ほっとします。

ひとりひとりが違う考え、違う意見、違う話し方をしていても、日本は『にほんごということでつながっている。

その言語を大切にしなくて、何が語れるでしょう。

消費される様に作られた安価なものだけに踊らされれば、その人の言語や語る言葉もそれに応じたものになるでしょう。

大切なこどもたちには、良いものを与え、大人たちが語る必要があります。

表紙に描かれる風車を良く見てみましょう。
手書きで全て違う風車が描かれています。

きっと彼らが受ける風向きも、自分達が回るスピードも、音も、色合いも違うでしょう。

でも、風車ということで、一つの集まりをなしています。

『にほんご』であって、『国語』でない理由がここにあります。

この書は日本や、日本語を話す人々である日本人の大切な財産といえるでしょう。

ですから、『にほんご』は日本語を話す人のための必読の書なのです。

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