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2006年7月26日 (水)

判決理由の蛇足部分/井上 薫 元裁判官さんのお話/3

井上 元裁判官さんのお話についての2話目は「判例重用の弊害」についてです。

裁判官さんが、法律の原点で原典である、六法全書を引く事が少なくなり、判例から自分の裁判の判決を決めていくという事が多いという話をされていました。

これまでの裁判例の蓄積から、多くの分野での様々な裁判の記録が残されています。

自分で六法全書から、結論を出すのはとても時間の手間とかかるものです。

そこで、これまでの似たようなケースから、量刑を引き出そうとするというと弊害が生まれるというものです。

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井上 薫

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殺人を犯したとき、その人数だけで、量刑が既に決定されているというのは思考停止であるとおっしゃっています。

事件などでは、その時々で、経過も結論もちがうでしょう。

法の原典に基づいて判決を行わず、形骸化した数値化された人数だけで判決がなされているとしたら、悲しいことです。

井上氏は、判決理由の蛇足の作文に数多くの時間を割き、本当に大切な裁判の本質をはしょっているという事を痛切に批判しています。

まさにその通りだと思います。

私達医師も、ともすると、学会発表や研究にのめりこみそうになります。

医師のアカデミックな自己表現の場でもあるからです。

でも、本当の仕事は患者さんを良くなるように智恵を使い、楽になる方法を一緒に模索する事です。その軸足が揺らいではいけない。

「スケールは違うけど、同じことだなあ。」と思って拝聴していました。

ウエブで検索すると、井上氏に批判的な意見が多いことに驚きます。

でも、私個人としては、法律の素人ですが、井上氏の意見にとても大切なものが含まれているのではないかと思いました。

何よりも、裁判官さんも人間であって、普通にお話をされる人であるという事が新鮮でした。
そして、おっかない人ではなく、お話もとても面白くて、尚、新鮮でした。

どこかで、風穴が開かないと、きっと改善していかないのだろうと感じました。

仲間の裁判官さんも増えてきているそうです。
これで、週刊誌などで騒がれていた内容が理解できました。

今後注目していきたいと思っています。

060719_21510001帰りのメトロに乗る前にみた六本木ヒルズです。

久々に近くで見ました。今週はこのあたりにうかがう事が多い週でした。

医療、法律。
様々な問題があり、人々は日々そこで暮らしているのです。

私は朝テレビで見た、早朝の魚市場のおじさんたちの一生懸命な顔を思い出していました。

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