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2006年8月12日 (土)

医療事故への対応/まず一歩

先日、新宿での講演会のあとに、虎ノ門病院の中西先生にお会いしました。

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹

朝日新聞社  2006-05
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『医療崩壊』を書かれた小松先生とも親しい先生です。

虎ノ門病院の山口院長先生がメンバーとなり、立ち上げたモデル事業について、詳しくお話を伺うことができました。

前回中西先生にお会いしたときには、虎ノ門病院のシュミレーションラボセンターについて、面白いお話を伺いました。

医療事故を未然に防ぐための新設の設備です。

今回ご説明いただいた、医療事故への対策のシステムについては、内科学会の中のこちらのページに詳しい資料が載っています。

なかなか、このページだけではニュアンスが伝わりにくいのですが、中西先生の熱心なご説明により、イメージがつくれました。

医療事故が裁判になっても、真実が明らかになる事もありますが、両者の意見のぶつかり合いに終始してしまうことも多いそうです。

そのため、まず、過失が本当にあったのかどうか。

一定の割合で必ず起きてしまう合併症なのかどうか。

中立な判断をする組織を立ち上げようという画期的な試みなのです。

参加されている立場も、法医学、法曹関係者、看護師、専門知識を持つ第三者の医師などそれぞれの方々が話し合っていくシステムです。

善意の医療を全力で行って、不幸な結果に終わってしまったときなどに多くの判断材料を与えてくれるシステムです。

今後、医療システムが先進的になっていくときには必須のシステムだと考えられます。

まだ始まったばかりですが、内科学会だけでなく、外科学会、産婦人科学会、小児科学会など他の学会にも広がっていって、日本医学会全体のシステムとして稼動し、国民と医療の信頼関係が修復されるととても良いと思ってお話を伺っていました。

こういった御仕事を専門とされる医師が現れても良いでしょうし、法曹関係、看護関係の専門の方が現れても良いと思っています。

法医学と病理学の接点も生まれるととても良いことです。

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オートプシーイメージングのお話も以前いたしましたが、集学的な死亡原因の追究も大切なことです。

今のところ、走り始めたばかりのシステムなので、人手も人材も時間も余裕無く進めていらっしゃるとの事でした。

また、警察の方々も、このシステムによる意見を参考にしたいと強く望んでいるとの事でした。

なかなか、このページだけではそのニュアンスが読み取りにくかったのですが、本当に良くわかりました。

人が説明する以上の説明はなかなか無いと思っています。

人と会い新しい知識を得るという事はとても重要なことだと、今日また認識を新たにしました。

昼間は、硬直化した病院のシステムにより、患者さんがどんどん逃げていく様を目の当たりにして、落ち込みました。

いくら説明しても、『当院は原則を曲げない』の一本やりでした。

その結果、患者さんが去っていっています。

反対に、夕方はどんどん患者さんの信頼を勝ち得ていく病院を目の当たりにし、勇気をもらいました。

さらに、虎ノ門病院の先生方は、職種の壁を越えて日本の医療を改善させるために東奔西走されている訳で、その活動は地域を越えて広がりを見せています。

病院によりこんなにも差があるもの
だと思い、カスタマーである患者さんがたが、医療機関を淘汰する事はとても重要なのだと実感しています。

『自分が正しい』といって、エゴイスティックな医療を行い、社会の信頼を失う医療機関はそのまま崩れてしまえば良いだけです。

自ずと社会がその行き先を決めるでしょう。

『先生は好きだけど、この病院には絶対来ない』とおっしゃられた患者さんが、最後に、御手紙を書いてくださるとおっしゃってくださったときには、本当にホッとしました。

終わりよければ全てよし。

今日は中西先生のお話に救われた一日でした。

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