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2006年9月 9日 (土)

酸素入り水/酸素バー/メカニズムから考えよう

酸素バー、酸素入り飲料が売れているそうです。

でも、そのほとんどは、『リフレッシュ効果』を謳っているだけで、医学的な効果は否定的です。

アメリカのFDAでは、酸素バーなどのファッション的酸素吸入療法に注意するべき勧告を行っています。

メカニズムから考えるとその意味が解ってきます。

サンデー毎日の記事でもお答えしましたが、そのメカニズムが重要です。

すでに我々の吸っている空気には、20%もの酸素が溶けています。

それを十分キャッチする能力を我々の肺は備えていて、血液は既に酸素でほとんど飽和されていますます

そこに、僅かに流れる酸素量を足しても、あまり意味が無いということです。

ただ、気持ち良い風を吸うことには気分をリフレッシュする効果がありますので、そういった事は期待できるでしょう。

医学的に高濃度の酸素を治療のために用いるときには、きちんとリザーバーバッグと言うものを備えたマスクで酸素を投与します。

鼻のカヌラ(チューブ)で酸素を行く事もありますが、その際は、きちんと両方の鼻腔(鼻の穴)にカヌラを挿入して、100%酸素を一定量投与します。

多くの酸素バーでの酸素は、医療用100%酸素投与は禁止されているので、吸入時には濃度が落とされているはずです。

30%ぐらいの濃度の酸素を少量、顔の付近に放出しても、吸入酸素量は僅かに上昇するだけで、しかも、既に空気中の酸素で飽和されている我々の血液には、ほとんど影響は無いと考えられます。

それでは酸素入り水のような、飲料はどうでしょう?

ましてや、飲む、と言う事になるとが多くなります。

もともと、水に溶解する酸素量は僅かです。

酸素を吸収する組織でない胃に溶解酸素が僅かに増えた水を、数100ml飲む事の意味が私にはわかりません。

缶にも『健康増進に役立つものでは有りません』と明記されています。

エビデンスはありませんが、食物中の過酸化物が増えて、逆に胃にダメージがある気がします。

過酸化物とガンの関係は良く知られていて、DNAのダメージの点などから研究が進んでいます。

我々の体は、空気中に存在する酸素と、体内にある酸素による酸化との戦いの中に置かれているといって過言ではありません。

レドックスと言って、酸化ストレスを減らす事がアンチエイジングでもてはやされ、その一方で酸素の豊富な水を飲むというのは、何か矛盾しているように思います。

胃の粘膜の表面に酸素の豊富なものを触れさせる必要があるのでしょうか?

いまひとつ私にはわかりません。

ただ、医学的な報告はいつでも不完全なので、未知のリフレッシュ効果の可能性は否定できませんが。

ブームの間、数億円を売り上げて、来年には無くなる飲料のような気がします。


もう一つ、『高気圧エアーカプセル』はメカニズムが別です。

このカプセルのなかの酸素濃度は高くなく、単純に普通の空気の圧を高めたものです。

圧が上がれば水に溶ける気体の量が増えるという物理法則にのっとったものです。

血液中の酸素は、赤血球が運ぶものと、直接血液の中の水分に溶け込むものから成り立ちます。

圧を高める事で、直接血液の水分に溶け込む酸素を増やそうと言う考えです。

酸素も沢山溶けますが、空気中の窒素も同様に沢山血液に溶けることになります。

カプセルから出ると、徐々に沢山溶け込んだ分の気体は空気中に放出され、速やかにいつもの状態に戻ります。

ですから、高圧エアーカプセルによる酸素濃度の上昇は、一過性のものとなります。

どれくらい血液中に溶け込んだ酸素が高濃度を保つかは呼吸数や体格などにより個人差が多いようですが数時間位と言われています。

この作業においても、『過酸化物は御肌の敵』などといって、活性酸素を中和するビタミンCを大量に取っている女性が、活性酸素の原料である酸素を大量に血液に溶かし込む作業をすることが、やはり矛盾しているように私には思えます。

ただし、エアロビクスやマラソンなどの有酸素運動後、筋肉が一時的に大量に酸素を必要なような限定した条件の際には有効な気がします。

ですから、この高圧エアーカプセルはブームが去った後も、これらの目的に生き残っていくと思っています。

 

こういった運動の時、筋肉は酸素がない状態で運動をしてくれて、その後、酸素が入ってきた時に様々な処理をしてくれるのです。

借金(酸素)の先送りのようなものです。

借金(酸素)返済のために、カプセルに入れば、借金(酸素)を早く返せるという算段です。

医学的に用いられている、『高圧酸素療法』は100%の酸素で満たされたタンクを高圧にするもので、その効果は『高圧エアーカプセル』とは全く異なるものです。

医療で用いられる高圧酸素とリフレッシュ療法の高圧エアー(空気)という表示の違いに注意する必要が有ります。

メカニズムが違うわけです。

これらのリフレッシュものというのは、そのメカニズムを考えれば自ずとその意味が解るものです。

それらを理解して、上手に用いていけば、たのしい酸素リフレッシュライフをエンジョイできるでしょう。

私は疲れたときのドリンク剤の『吸入版』のようなものだと思っています。

ドリンク剤の中のビタミンと、こういった酸素の意味というのは同じ感じですから・・・

私は、体をリフレッシュするには、実は一つしか方法が無いと思っています。

体は様々な回路が並行して働いている複雑な機関です。

酸素やビタミンの関与している部分はそのごく僅かな一部です。

リフレッシュする方法、それは、規則正しい生活をして、体内時計をきちんと整えた上で十分な睡眠を取って、自分の体に備わったリフレッシュ機能を最大限に利用すると言う事です。

私達にはデフォルトで、優れた様々な驚くべきリフレッシュ機能が備わっています。

これらのアンチエイジング機能は遺伝子レベルでどんどん解明されていっていますが、本当に人体は崩壊の危機を回避する巧妙なシステムを沢山備えています。

『タイヨウの歌』の記事の時に少し触れた、DNAの傷を修復する酵素のその驚くべきメカニズムなどもその一つです。

そういった、自分の体に本来備わった機能を大切にして、最大限に引き出してあげればよいのです。

ただ、それだけで良いのです。

和食腹八分目、酒半分、良い睡眠。

それが実は究極のリフレッシュ療法だと思っています。

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