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2006年10月 7日 (土)

日独社会保障ワークショップ

先日、日本とドイツの保険医療システムについての比較を行うワークショップに参加してきました。

061005_15140001 霞ヶ関に急がないといけません。

雨が結構強く降っていました。

霞ヶ関から見る東京タワーもいいものです。

暫し、朱鷺色の空を見ていました。

061005_15080001 メトロで見かけたかっこいいポスター。

このコンピューターはアップルのibookで、『貝殻型コンピューター』
と言われていたものです。Ibook
エックス線の画像になっても美しい曲線を描いています。

液晶画面の上部まで延びているのは、たぶん、その当時珍しかった無線LANのアンテナです。

アップルは既に10年前以上に今のコンピューティングシステムを見通し、製品化していたのです。

新クリニックの入り口にはもちろん、アップル社のコンピュータを飾ります。

061005_15150001日比谷公園の噴水です。
雨の日の噴水もきれいなものです。
日比谷公園のネームプレートをしっかり見たのは始めてでした。
昨年、学会で行ったドイツの公園のようです。

061005_15380001
会議場の案内板です。

ここで活発な議論がなされました。

ベッカー マックスプランク大学教授(Prof. Ulrich Becker, Max Planck Institute)からのプレゼンテーション。

ドイツでは疾病金庫(支払い基金)がとても強く、いろいろな事をコントロールしているという事。

最近導入された医療制度とその問題点についてお話がありました。

そもそも、ドイツの保険者は労働保険から成立していて、公的保険に加入できない国民もいることに留意する点があります。

日本の国民皆保険の素晴らしさは守らなくてはならないと思いながら、同時にドイツにおける、医療制度の無駄の無さには感心させられました。

医療制度を島崎謙治先生(今回のワークショップのボス)はジャンボジェットに例えることが多いのですが、まさに、日本のアニメの絵がべたべた張られた飛行機と一線を画する、シルバーに磨き上げあられたルフトハンザが思い出されます。

白ワインと機内食も無駄の無い食器に盛り付けられた美味しさでした。

医療の質の確保と効率性の上昇についての議論には、いくつも参考になる点がありました。

疾病金庫間では品質を巡る競争が起きており、医療供給者側では疾病金庫からのインセンティブの競争が起きていて、これがまさにドイツの医療供給システムの効率化のエンジンである事が示されました。

同時に、その競争による弊害があるわけですが、リスク調整機能は難しくてよく分りませんでした。(説明も省略されました)

何よりも、Integrierte Versorgung: 統合医療供給Disease Management Programme: 疾病管理プログラムの話しは面白かった。

そもそもの保険医療システムが違うので、日本のDPCとは似ているところも少しあるけれど、全く異なるシステムだと感じました。

コンベンショナルな医療システムに、財政補助のある新医療システムが加えられ、医療供給者はインセンティブの面などから選択していっているということでした。(間違えているかもしれません・・・)

新システムがどれくらい伸びていくかが課題と言う事でした。

(専門用語が多いのに、同時通訳の高階さんは本当に素晴らしかったです。)


その後、松本先生からドイツと比した日本の医療制度の簡潔なプレゼンテーションがありました。

1.外来業務については、日本では入院施設を持つ病院にも外来があり、開業医の外来と渾然一体となっている。

2.日本では『家庭医』と『専門医』が分かれていなくて、『開業医』として機能している。
(私は、日本独特のこのフワーッとした患者さんを診るお医者さんを
" Kaigyou-i "とネーミングして良いのでは無いかと思っています。)

3.保険の供給者の選択が自由。つまり、自分が国民健康保険でも、どの社会保険でもどの医療機関を選んでもよく、ドイツのように他の保険システムの医療機関を選ぶと追加料金が発生するということが無い。

4.日本の医療機関が診療報酬で成り立っていて、公的保険診療システムに加入しているということ。

5.民間病院の割合が大きいという事

日本の医療では在院日数が長く、医療資源の適切な配分や、患者さんの適切な受診がなされていないのではないかという問題などが提示されました。
(もりだくさんだったので後日。)

という簡潔な命題が呈示されました。

日本の医療システムは日本の財産です。

特に、連帯感や、技能職の働きを全うしたいという優れた国民性に支えられた良い面が沢山、生き続けている。

また、良心的な医療者も数多く働いています。

傷ついてしまった所も沢山有りますが、その良い面を整理して、効率化して支えあって行く医療システム作りが必要です。

会合の後、ベッカー先生にプレスセンター一階のジュンク堂で購入した『副作用』の新書を御渡ししたところ、『自宅に海外の本を置いてある本棚があって、そこに喜んで飾らしてもらいます(元は英語)』とおっしゃってくださいました。

私のような臨床医はドイツではどのように勉強を継続しているかという質問は、メールでさせてもらうことにしました。

何回も握手してもらってうれしかったです。


エレベーターで御見送りし、島崎先生とひとしきり日本の医療制度について、残った御茶とビスケットのかけらでお話しました。

おなかが空いてきたので、時計を見たら、なんと21時半!!

私達は医療制度や、法制度について2時間近く話していたのです。

人間の時計とは不思議なものです。

後日お書きしましょう。

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