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2006年10月 9日 (月)

ネコに注意/ネコ蚤(ノミ)/ネコ引っかき病

酷い皮疹でしたが、結局ネコ蚤だったという患者さんがいらっしゃいました。
(良質な医療情報提供ならということで、ご本人さんに写真掲載の許可をいただきました)

20060922_15
赤い皮疹で、中央が少し膨隆しています。

痒いところと痒くないところが有るそうです。

20060922 酷いところはすこし膿んでしまって、大きなかさぶたになっています。

彼は、下腿の下三分の一ぐらいに急に沢山出てきたため、慌てて皮膚科に行きました。

皮膚科の先生は採血などをしても、はっきりせず、皮疹も改善しなかったため生検をしました。

20060922_16 どんどん悪化してきていたため、診断と治療のため、やむをえなかったのです。

この写真はその後の治療でとても良くなった状態ですが、それでも皮疹のものすごさが分ります。

結果は、ネコ蚤(のみ)によるものでした。

ネコを飼っていなないのに、どうして、ネコ蚤にやられてしまったのでしょう?

こちらにネコ蚤についての詳しい記載があります。

彼は庭の植木の手入れが趣味でした。

日当たりの良いその庭は、野良猫の絶好の日向ぼっこの場所だったそうです。

皮膚科の先生の話では、少し寒い日だったので、靴下の下に入って血をすわれたのではないか?

だから、靴下のゴムから下に沢山の蚤の刺し傷ができたのではないか?

と言う事でした。

ネコが媒体する病気としては、その他に

ネコ引っかき病

ネコにかまれた事による感染症
 があります。

ネコ引っかき病は面白い名前ですが、そのままきちんとした疾患名です。

バルトネラ菌(Bartonella菌)という特殊な細菌の感染症によるものです。

一方ネコの口腔内にほぼ100%居るパスツレラ菌(Pasteurella菌)による、パスツレラ症はネコの咬み傷の感染症として有名です。

ところが、あまり知られていないのですが、このパスツレラ症では咬み傷が膿んだり、蜂窩織炎になると言うよりも、肺炎が特に重要です

ネコはパスツレラ菌が口内にいても特に問題を起こしませんが、人に感染すると疾患を起こします。

こういった人畜共通感染症(zoonosis: ズーノーシス)は持ち運び屋内ペットの増加に伴い増加すると考えられています。

ネコは特に犬のブームが去った後でも根強い人気を誇っているようですし、屋内に居る事が多いので、患者さんも増えるでしょう。

ネコを飼う上では、蚤の駆除と床のお掃除(喘息予防)が必須で、口移しは厳禁です。

ミドリガメによるサルモネラ感染症や、カタツムリの線虫感染症など、人畜共通感染症は幾つもあります。

動物は人とは違う環境に暮らしている事を自覚する必要があります。

ちなみに、人の胃に大きな痛みを発して、救急車を呼ぶ騒ぎになることもあるアニサキスは回虫の仲間です。

医科歯科の面白い仲良しの藤田先生も回虫の本をかかれましたが、あの回虫はヒトの回虫で、アニサキスは魚の回虫です。

魚の腸の中では、少し栄養を横取りするぐらいで悪さをしないアニサキスも、勝手が違うヒトの胃の中では、粘膜にもぐりこもうと胃に噛みつくのです。

丁度、ヒトの回虫が同じようにおとなしく栄養を少し横取りするぐらいなのと似ています。

結構しつこく胃の壁にもぐりこんでいて、下手に引っ張ると切れてしまうので、消化器の先生が内視鏡で苦労して除去しているのを見たことがあります。

胃の粘膜からは出血していて、『アニサキスって怖いですね』というと、『結構患者さん居るんだよね』と笑われていました。

私も、魚やイカにまだ生きているアニサキスが動いているのを見たことがあります。

決して結核は制圧されて異ない事を先日も記事にしました。

ウイルスや細菌との戦いは基本的な永遠の医療のテーマです。

人畜共通感染症に気をつけるようにしましょう。

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