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2006年12月 2日 (土)

筋萎縮性側索硬化症/ALS(amyotrophic lateral sclerosis)/名前の由来

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さん方と何度も危機を乗り切ってきましたが、その名前の由来を尋ねられました。

人間の脳は、表面に脳神経細胞があり、その細胞の『腕
(軸索)が細く細く伸びて線維状にになり、表面からレンズで光が集められるように、神経細胞の『腕』の束となって脊髄を降りていきます。

こちらにとても良い図を見つけました。英語のサイトですが、右端の三角の体からずっと伸びているのが神経細胞が伸びた結果の線維です。細胞体は1mmもありませんがその体の一部が1m近くも伸びているのです。

脳を中心と考えると、鉄道では下り線といえるでしょう。

不思議な形ですよね。病気になるのはこの無理な形によるものも多いといわれています。

また、一方で上り線もあります。
脊髄にある神経細胞は
体に『腕』を分布していますが、その一方の腕』は脊髄を上っていって脳に届きます。

つまり、脊髄は体と脳を繋ぐ
上り線、下り線の神経の『腕』、神経線維の束なわけです。

脊髄の中で線維の種類により、非常に明確にその位置が決められています。

運動神経は側策と呼ばれる部分を降りていきます。

前索、後索という部分もあるのですが、例えば後索は感覚神経の線維の束が通る部分です。

それでは、硬化症とは何でしょう?

神経内科が診る病気に、多発性硬化症と言うものがあります。

これは、神経内のあちらこちらに炎症を起こして、神経の線維がダメージをきたす病気です。多発性に炎症が起きます。

その炎症がおきた部分は正常の組織から、硬い別な線維資の細胞に置き換わり硬くなります。そのため、多発性に硬くなっていくので、こういった病名が付けられました。

多発性硬化症の治療では、神経細胞の硬化が起きるほど悪化しないように、免疫グロブリンやステロイドを点滴して、炎症自体を鎮める事が主となります。

丁度、肝臓が慢性の炎症を繰り返すと、線維に置き換わり硬くなり、肝硬変になるのとにています。
人間の体は、元の細胞が再生して置き換われないときには、硬い組織で置き換わる性質があるのです。

攻殻機動隊の電脳硬化症はこの多発性硬化症をモデルにしたものだと思っています。
政府の高官が内緒でムライワクチン(免疫モジュレーター)を点滴するところなど、治療方法までそっくりです。

筋萎縮性側索硬化症は、筋肉が萎縮する病気であり、脊髄の側索が硬くなり機能しなくなっているということから付けられた名前なのです。

いまでは、当たり前のようにMRIやCTで神経内部を見ることができますが、以前は不幸にして亡くなられた患者さんの解剖所見でしか、その方の神経系に起きた事を観察する事ができませんでした。

そのため、臨床上、運動系の筋肉がどんどんやせていき、解剖すると側索が硬くなっている、という事しか解らない疾患だったので、このような名前がつきました。

今でも、その原因ははっきり解っていないのですが、家族性筋萎縮性側索硬化症の方では、活性酸素を無毒化する遺伝子に傷が付いていることなど、少しずつ解明されてきています。

そのため、エダラボンという通常脳卒中に用いられる活性酸素を無毒化するキレート薬が筋萎縮性側索硬化症に効果があるのではないか?と言われています。

私は、よくなる可能性があるなら、積極的に使うべきだと思っています。

このように、筋萎縮性側索硬化症は漢字が長くて難しい名前なのですが、その中に神経細胞の形や解剖的な意味づけ、神経病理学の歴史や患者さんの苦悩などが詰まった言葉だったのです。

電脳硬化症が不治の病と言うところも似ていていました。

たぶん癌のように、いろいろな因子のあわせ技によって発症すると考えられているのですが、その原因と治療法が見つかる事を願っています。

東京医科歯科大学ではsiRNAを用いた遺伝子治療の研究を進めています。

実は、クオーレアオモーレ社の最先端技術、MPCというリン脂質は私が細胞膜のリン脂質分析をしていたところから馴染み深いもので、やはり東京医科歯科大学で開発されたものです。近いうちにご報告いたします。

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