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2007年2月 2日 (金)

EHR: electric health record その1/患者さんが自分の情報を持つ意味

これまで私は厚生労働省の研究者の一人として日本各地で様々な工夫をこらして、良い医療サービスを提供されている先生方へのインタビューを繰り返してきました。

その中で、医療情報伝達(medical information transport: MIT)と医療生活計画(medcal life plan: MLP)の重要性に触れてきました。

医療供給サービス側つまり医療者がそれらを果たす事もできますし、サービスを受ける側の患者さんがそれらをすべて保持する事も、その解決策の一つだと考えています。

患者さんが自分の情報を持つという点において、EHR: electric health recordが大切になります。
医療の未来形を実現しようとしている秋葉原駅クリニックではその点も考慮しています。

まず、画像に関しては、提携しているメディカルスキャニングよりCDロムによる画像提供を頂き、そのCDは患者さんに保持していただきます。
当院の心電図はデータを書き出せるので、汎用JPGファイルでお渡しする事ができます。ホルター心電図の結果は近々HTMLファイルで頂ける予定となっています。

また、血液検査データはCSVファイルで書き出せるので、エクセルビューアを共につければすべてお渡しできる様になる予定です。
カルテの文書も一緒です。一般RTF(リッチテキストファイル)でお渡しできる様にしたいと思っています。テキストファイルですべて読める訳です。

メタボリックシンドロームの患者さんには体重を測っていただいているので、他の地域に引っ越しても、どんな治療が行われ、どんな様子だったか紹介状よりも詳しくその地域の医療機関へ伝える事ができます。

これらのデータはすべて普通のパソコンですべて読める形式ですので、ハードには依存しません。もちろん電子カルテや病院にも依存しません。
電子カルテはそれ自体に意味はありません。空気の様に存在すべきという私の考えを実現した物です。なぜなら、単純に紙カルテの代替進化版に過ぎないからです。実際、私のクリニックではどの検査会社の方のデータでも、電子カルテにデータが挿入できるようにできています。検査会社さんにも依存しません。それは、やがて患者さんが持参されたデータを読み込まなくてはならない日がやってくる事を見越しての事です。


紙カルテ自体に大きな意味を感じ、高価な皮の表紙で美しい和紙のカルテを作っている病院はあるでしょうか?

追加のレセコンも必要ないのですが、医療機関自身の問題なのでここでは省きます。見学にいらした厚労省の方々も感動されていましたが・・・

電子化が進んだ結果、知恵さえしぼれば、極上のEHRを実現できるのです。
私のクリニックでは既に数人の患者さんと運動のSNS(social network service)を始めました。今も増え続けています。これにより、私は患者さんの運動量をクリニックに居ながらにして知る事ができ、指示のメールも送る事ができます。彼らは私の運動量も見れますから、逆もあり得る訳で、医師の健康を患者さんが叱咤してくださるという指示の双方向性という面白い結果も生まれそうです。

患者さんの検査結果、診療経過、運動量に至るまで、すべての情報を患者さんが保持できるようになったのです。

アイチケットを導入している当院は、当日の自分の待ち合い情報までも外に持ち出せると言って過言ではありません。医療機関が患者さんの情報を保持する事により測らずとも患者さんを囲い込むという時代の終焉を意味しています。

患者さんは自分の情報を自分で保持して、日本中のどこにかかっても良いのです。紹介状等という不完全なものでなく、そっくりそのまますべての情報をリアルタイムで保持する事が小さな秋葉原駅クリニックで実現できているのです。

来週には当クリニックは会計に置いて更なる進化を遂げる予定で、上記と合わせて極上のユピキタス医療を実現できると思っております。
もちろん、医療の基本が大切ですが、それは各種専門医を取得し既に10年近くを経過している事、著書がある事、基礎論文もしたためている事はもちろん、お会いしてご説明を聞いていただいて感じていただく事ができるのではないかと思っています。
最先端の情報はACPで勉強し(Publication Committee)、さらに診療は家庭医学会より磨きをかけて勉強させていただくつもりです。

EHRを国家戦略で進めるとすれば大きなシステム作りが必要かもしれません。でも、小さなクリニックで実現できてしまっていれば、そんなに大上段に構えなくても、すぐにでも実現できそうです。汎用フォーマットが存在するのですから。
来月、重要なシンクタンクでの会合が議員会館内で行われます。とても楽しみにしています。

医療の未来形はもうそこに実現されそうです。しかも、安価に。そして進化を続ける。
島崎謙治先生と3年間にわたり各地の医療機関を旅をして、『医療の総合化と効率化』の研究から考え続けた医療の未来形。一つの答えがここにあります。

大切なのは、クリエイティビティに支えられた、患者さんを思う心です。

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