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2007年2月10日 (土)

幸福に関わる短文/ブータンの目指すもの/青い鳥

J-waveで別所さんがブータン王国の事を話していました。

ブータンでは、30数年前に国王が国民に宣言したそうです。
『グローバライゼーションに飲み込まれる事無く、我々のペースでがんばろう。豊富な森林資源、鉱物資源を輸出する事で儲けることはやめよう。持続生長可能な経済を持ち、所有欲から解放された生活を目指そう。目標は、GDPでは無く、国民総幸福量(Gross National Happiness:GNH)の増加だ。』

そして、現在7%の成長と、ブータンに住むことに幸福に感じるブータン国民が80%を超えるという奇跡を生んでいます。彼らが家に保有する家財は25種類。一方、日本の平均家庭が有するアイテムは900種類。
イギリスの調査による幸福な国順位でブータンは8位、日本は80位(90位?)とのことでした。

一方で、ある国では多額の財産を遺産として得るために何人もの人々が命を落としているという報道がなされました。
物を沢山有しても、宝石に囲まれても、幸福はやってこない事を意味しています。

青い鳥の話、そのままです。

先日、ボーネルンドの『親学』にも書きましたが、大人は子供を持ってから、子供に親として育ててもらっていきます。待つ事、我慢する事、忍耐づよくお話しする事などを学んでいきます。この事は、人間の成長にとても大切な事です。

私はこういった生物学的に素直な成長を、無理無くきちんと行っていく事が、子供にも親にも大切であると力説しました。

現在の日本は、なんて生物学的に生きづらい世の中なのでしょう。

子供の時から比較の中で暮らしていきます。
子供ならテストや受験、大人なら出世や給与額など画一的な評価で比較されます。
いそげ、いそげ、と。
子供達は、小さな頃、沢山の物に興味を持ち自由に想像の翼を大空に羽ばたかせています。
いろいろな物を見て、彼らのそれぞれのペースで脳のシナプスが回路を作り続けています。
沢山広いところを駆け回りたいし、自由に物を壊したいし、沢山の絵の具で大きな画面に落書きがしたい。
でも、窮屈な空間で車におびえて暮らしています。
学校の後は塾が待っていて、空間的にも時間的にもシナプスの成長も心もが萎縮してしまいそうです。

どんな物を持っているのか、どんなところで暮らしているのか、そういった物理的な比較では幸福は測れない無いにも関わらず、私達は競争に奔走しがちです。

そして、それをマスコミはあおります。
沢山の消費を促し、今、立派に使える物を早く捨てて新しいものを買えと繰り返し喧伝します。
まるで、今食べている伝統の食事だけでは不健康だといっているようです。
まるで、今乗っている数年前の車が時代遅れのようです。
外国人の友人が送ってくれた写真に写っていた車はサビのでた小さな車でしたが、とても幸せであることが綴られていました。

その晩、図画工作で学校をよみがえらせる番組を見ました。
絵や、工作は正解がないので、子供達がお互いのユニークなところをほめる様になる。
そうする事で、人間の複雑な多様性の意味を知り、一つだけの評価基準を信じなくなり、自分で様々な意味を考える様になる。そういった内容でした。

ブータンの話を聞き、遺産相続の話を聞き、図画工作の話を聞き、それぞれが一つの普遍的ベクトルを持っている事に改めてうなづかされました。

私は大人になり、様々な方々にお会いする様になりましたが、どんなに富める方でも、第一線で働いている方々は中身勝負の所があります。

電車の乗り降り口のような、狭い場所を沢山の人がすり抜けるためには、譲り合い協力する方が遥かに効率よくすり抜けられるという報告もあります。競争だけが常に効率よい訳ではありません。

私達も、国民総幸福量(Gross National Happiness:GNH)を目指すべきだろうと思っています。
たとえば、色々な女性が子供を“自然に”生みたくなるような社会的な暖かい仕組みを作る事が大切なだけです。何も言わず、叔父樣方はそういった仕組みを無言で社会に作れば良いのです。
社会保障少子問題研究所の結果では、女性の9割近くが結婚して子供を持ちたい願望があります。
ところが、実際に結婚できて、子供を持てる女性が少ない社会である点が問題なのです。
日本は一見豊かに見えますが、見えざる社会の障壁が非常に大きい事を示しています。

幸福に暮らす事は、外側からやって来る物ではないという思いを深くしています。
ささやかで穏やかな暮らしの中に全ては宿っています。
子供達に形の箍(たが)をはめるのを止め、自分の心にも箍をはめる事を止め、人との比較を止め、小さな喜びに身を任せて、わずかな時間の生命を生きる。

それで良いのだと思っています。
国民に高らかに自分の哲学を謳ったブータンの国王の宣言は、30年前は全く無視されたそうですが、今になり、大変に注目を集めているそうです。
持続可能な成長を、国の財産を売り渡す事無く成功させ、国民のほとんどが幸せに暮らす国。

そこに正解が宿っているのではないかと思っています。

私のささやかな喜びは明日お書きします。

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