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2007年3月21日 (水)

人が生まれる事/予想以上の危険性/タミフル

人が生まれるという事は大変な事です。

今日はタミフルの10代への投与を控えるべき、という報道もなされました。
もし、本当に確率的にそういった事例が多いとする前提条件が最も大切です。その調査が先であり、今回の処置は、タミフルの副作用の認定というものではなく、社会的な対応である事に留意すべきです。過剰に反応する事は避けましょう。
神経内科医である私は、報道を見た症状から、もし、タミフルの副作用が存在するなら、この薬の有する『血液脳関門の機能不全時の脳の鎮静作用』に的を絞るべきという考えは変わりません。それによるせん妄というものが最も当てはまると思っています。血液脳関門依存性のせん妄かもしれないと考えていますが、まずは、本当にそういったものが存在するかどうかの検証が先です。

子供達や世のお母さん達が輝いて見えた記事はこちらです。

この記事では予想以上に(あるいは医療界ではそうかな・・・と思われていた)お産の時の危険性が報告されました。
妊産婦さんの250人に1人が、医療の緊急治療が必要であったという記事です。
それに比して、お産時の死亡数が大変に少ないのは、日本の産科医療を支えて来た産科医の適切な処置と努力の賜物です。

私は、様々な原因による、産科医療の崩壊を悲しく思いますが、今日は、人が生まれ落ちるという命がけの作業をおこなっている、世のお母さん方の立派さにエールを送りたい気持ちです。

子供達は、子宮内での胎盤を通した循環から、劇的に循環の構造を変化させ肺呼吸に適応し、生き延びます。ドラマティックな大変化です。

お母さんは子供を産み落とした後、出血やDICなどの自身の命の危機を乗り切ります。そして直後から劇的なホルモンの変化の中で、待った無しの子育てに突入します。

お産、というと、いろいろなヒューマニズム的な表現がなされて、桃色の霧に包まれた優しい画像を思い浮かべることも多いのですが、実際の現場はまさに死闘というものの方がふさわしいと思っています。

太古の昔から、生き延びるための命を賭けた大きな変化がお母さんの体にも、あかちゃんの体にも繰り広げられているのです。

今回の記事は、再度、お産というものが生き物の命をかけた営みである事を認識されるものです。その危険性を少しでも減らす様に人間が手にした医療的な手技や技術が産科医療であるわけです。

産科医の懸命な手技による『無事なお産』が当たり前のようになり、様々な事例から産科医によるお産が少なくなるように進んできた日本においては、お産が生き延びるための『命がけの賭けの作業』をよりリアルに実感するようになる世の中にならざるを得ないだろうと思います。

その事とは別に、私は、この記事を読んで、子供達も、大人達も今生きて生活されている方々がお互いにより愛おしく思えるようになると良いと思いました。
1人の人間を育み、生み、育てるという事は大変な作業です。

私は、この記事を読み、どのお母様方も成し遂げて来た、とてつもない偉業を再認識し、感謝の気持ちが絶えませんでした。

子育てで疲れて頭痛を来してクリニックを受診された方もいらっしゃいました。
いいんじゃないかと思います。睡眠不足ですし、心配も多いでしょうから、頭痛がでて当然です。完璧に生きる必要はどこにもありません。

今一度、お産の危険性の再認識と、産科医療の再生の議論が深まる事を願います。新聞記事の論調も随分と変化が激しいものです。

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