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2009年7月 9日 (木)

レセプト・オンライン化/紙→フロッピー→オンライン/電子カルテはダイナミクス(Dynamics)

当院のカルテは電子カルテです。
この電子カルテ、ダイナミクスはレセプト作成機能も搭載しています。

私は早い時期に、紙に印刷するレセプトは卒業して、フロッピーに記録したレセプトを提出していました。それだけでも、紙やトナーの大幅な節約になっていました。今では1年に一度トナーとインクジェットの詰め替えを購入するだけで済むようになっています。

今月、状況が整い、レセプトをオンラインで申請することになりました。
でも、レセプトって何でしょう?

私たち保険医療機関は医療行為を行い、それぞれの作業に対応した決められた診療費を頂くシステムになっています。

自由診療は医療機関の“言い値”なので、高額になりがちですが、保険診療は全国共通で固定されているので安心です。
値札の貼られていないすし屋さんと、回転寿司に似ています。
この保険診療費は日本では非常に安価に設定されていて、採算割れギリギリの価格になっているので、私たちはとても苦労しています。

1割、3割負担というのは、この決められた医療費のうち、どれだけを窓口で負担するか、という割合です。残りは健康保険組合に申請書をお出しするのですが、その申請書を『レセプト』と呼びます。

昔、父親の時代はカルテもレセプトも紙でした。
その後、診療報酬の体系が非常に複雑になり、窓口での計算が難しくなると、レセプトコンピュータが登場しました。
紙カルテ+レセプトコンピュータという組み合わせが、診療所や病院に数多く導入されました。レセプトコンピュータで作成したレセプトを紙に印刷して、紙の束を白い糸で縛って提出するものです。当時のコンピュータの能力では、カルテの内容を記載することが難しかったので、窓口業務だけ電算化されたのでした。

その後、電子カルテが普及しだすと困った問題が起きました。
レセプトコンピュータも電子カルテも独自のフォーマットなので、直接接続が出来ないのです。

医療者の行う作業が記録される電子カルテを読み込めるレセプトコンピュータに買いなおすか、それまでのものを全て捨て去り全部を新しくするのか。
買いなおすにしても、それまでのデータを別な機種へ移植するのは、通常、印字した後手作業で行う必要があります。デジタル→アナログ(人海戦術)→デジタルという、全体をみると非常に前時代的な対応が必要になります。
5年間のカルテを電子化するのは、膨大な作業量で不可能です。
医療は継続性が大切なので、本当に悩ましい問題です。

幸いにも私は、既に診療所向けのダイナミクスという統合型電子カルテが存在していたので、その悩みはありませんでした。逆に統合型でシンプルなので、ダイナミクスをお願いしたというのが順番的には正しい。
ダイナミクスは工学系の知識を持つ医師、吉原先生が手作りされた電子カルテで、安定して動作する優れものです。当院では一度もクラッシュしたことがありません。バージョンアップを繰り返し、現在バージョン19にまで進化しています。

レセプトのオンライン化というのは、この健康保険組合への申請書を電子化し、それを健康保険組合へのコンピュータにアップロードするという事を意味します。
認証システムがやや複雑ですが、指示のとおりにルーターの設定をするだけなので、追加投資額は1800円でした。ネットブックはデルの3万円ほどのものですが、使用していないものを専用機にしました。毎月のメインテナンス料などはありません。

ダイナミクスはオンラインレセプトを強力に推し進め、非常に早い時期にレセプト電子化を成し遂げていました。
先日、試験したところ無事、試験用ファイルのアップロードが行えたので、本物のファイルを昼休みに(!)アップロードする予定です。専用端末のネットブックの立ち上げからシャットダウンまで数分で終わる作業です。

『2008年4月の時点で官報に掲載されたオンライン請求を実施した診療所(病院を除く)871件のうち、381件(43.7%)がDynamicsユーザー 』ことが報告されています。
この高率のオンラインレセプト化が実現できたのは、電子カルテとレセプトの統合型であるということとレセプトの電子化を早期から実現していたという2つのファクターによるものだと思っています。

何も郵送しなくて良いのは、非常に助かり安心です。
いつも届けられたかどうか、ウエブで追跡調査していたのですが、それも不要になりました。父親は診療後、夜遅くまで連日、厚いレセプトの紙の束を汗だくになってチェックし、大慌てで医師会に持っていっていました。

私は専用のFTPサイトにアクセスし、数百Kバイトのアップロードするファイルを選択して、送信のボタンをクリックするだけです。隔世の感があります。

いろいろ問題もあるのかもしれませんが、経済的に苦しい診療所にとっては、紙代やトナー代などいろいろなコスト削減ができるので助かっています。医療事務さんの作業量が少なくなるところも良い点です。

今のところレセプトオンライン化は、ファイルのアップロードというスマートな良い方法ではないかと思っています。

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