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2012年1月19日 (木)

ALSのモデル動物

難治性の運動障害を引き起こすALSという病気があります。
未だに原因は不明で、治療方法もありません。

東京医科歯科大学神経内科の横田先生のチームが、
モデル動物のサルを作成することに成功したとの報告がなされました。

ネズミのモデルではダメで、
サルでないと人間の病気は発症しないことが記されています。

かつて、スタチン系の高脂血症の薬でも、
ネズミではダメで、たまたまトリを用いたら効果があり
創薬に結びついたというエピソードを思い出しました。

TDP-43(transactivation responsive region (TAR)-DNA-binding protein of 43 kDa)というタンパク質の異常が重要とのことです。

TDP-43の機能はまだ明らかになっていませんが、
ヒトの体がタンパク質を作るために必須のRNAの機能を支えているようです。

もともとは核の中にあるTDP-43が、
病気になると細胞の中に溢れてしまっていることが観察されています。
脳や脊髄の神経細胞で、TDP-43の機能障害がおきることが、
病気の引き金になるようです。

臨床的な症状が異なっていても、
共通のTDP-43異常が見られることも報告されるようになりました。
TDP-43 proteinopathy(TDP-43 蛋白異常病)とも呼ばれるようになっています。

遺伝子を解析してみると、
見た目、全く別な動物に見えていた
クジラとカバが親戚だったという感じに似ています。

TDP-43の機能異常を回復させることは、
ALSだけでなく、アルツハイマーやパーキンソン病の治療に
突破口を与えることになるかもしれません。
それぞれが全く別な病気と考えられていたものです。

パラダイムシフトというのは、
いつでも起きるものです。
昨日までの常識が、今日は全く別な常識に取って代わられる。
不思議な感覚です。

所属の医局の快挙は、
とてもうれしいものです。

患者さんに希望の火をともす
素晴らしい成果だと思っています。

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