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2013年6月18日 (火)

子宮頸がんワクチンの問題 / アジュバントの種類

今日はテレビ局の方が取材に見えられた日でした。アレルギーの話もいたしました。

収録中、子宮頸がんのワクチンについてのいろいろな報道を思い出していました。
新型インフルエンザが流行した2009年、サンケイエクスプレスのコラムでワクチンの話題を取り上げました。

インフルエンザ・新型ワクチンの有用性  (2009年 9月)
 日本は準備量を急に増やすことも、減らすことも難しい、有精鶏卵を用い、さらに基本的には分離されたウイルスそのものを用いてワクチンを作成しています。 一方、海外ワクチンメーカーでは、増殖が無限に繰り返される培養細胞を用いてワクチンを作成しています。
 私は培養細胞を用いて実験を続けていますので、馴染み深いのですが、こういった培養細胞はコンディションを整えて液体窒素で冷凍すれば何年でも保存できます。つまり、流行が収まればしまって置けばよいし、ワクチンが必要になれば、無数のフラスコで培養すればいくらでもワクチンを増やす素地が生まれるわけです。 彼らは、自然体のウイルスをそのまま用いているのではなく、その特徴になる部分に対応する遺伝子を取り出し、ワクチン製造に適した「入れ物になる」ウイルスに組み込んで、元ウイルスとしています。
 この方法をとれば、元ウイルスの増殖がたとえ遅くても、増殖率は入れ物になるウイルス、有している特徴は目的にかなったウイルスという「いいとこ取り」をしたウイルスが即座に手に入ります。
 さらに、少量のウイルスでヒトの免疫システムにきちんと認識させるため、MF59のようなアジュバントと呼ばれる免疫増強剤を加えています。彼らはアジュバントの有る、無し、インフルエンザウイルス量の多い、少ないなど色々なワクチンを作成し、副作用やその効果を検定しました。
 その結果、アジュバントを含有した少量のウイルス量のワクチンが効果的であることをつきとめ、臨床応用することになったのです。少量のウイルス量で済むなら、初期から沢山の人々にワクチンを接種することが可能になります。副作用のチェックはもちろん欠かせませんが。

このことは重要だと感じたので、今年のコラムでも触れました。
アジュバントはワクチンだけではないこともお示しすることが必要だと思ったからです。

アジュバントとPM2.5 (2013年 4月)
 その現場に花粉が一緒に存在すると、体は花粉を容易に認識し、花粉症を発症するといわれています。また、すでに花粉症やぜんそくを患っている場合は、粒子や化学物質などにより炎症が悪化して組織が障害を受け症状が増悪すると考えられています。  
 さまざまなワクチンにもアジュバントは加えられています。注射する少量のウイルスの形を効率よく免疫細胞に覚えてもらうためです。古くは鉱物から、最近では人工的な化合物などさまざまなものが開発されつつあります。例えば新型と騒がれた2009年に流行したインフルエンザに対する輸入品のワクチンには、MF59やAS03と呼ばれるアジュバントが含まれていました。  
 アジュバントは必要なものではありますが、免疫に関連するものなので注意が必要です。(以上、SANKEI EXPRESS)

ウイルスをそのまま皮下や筋肉内に注入しても、認識されなければ意味がありません。そのため、アジュバントと呼ばれるものを同時に注入します。

そのアジュバントの種類や量の決定はとても繊細なもので、今後そのことに注目が集まるのではないかと思っています。子宮頸がんワクチンのアジュバントはAS04やamorphous aluminum hydroxyphosphate sulfateといった脂質や無機物が用いられています。

今日、TVプログラムのためにお話しした話題も、海外で話題になりつつあるアレルギーについてのものでした。

その都度、論文を集めてコラムを書き続けたり、いろいろな場所でお話をする事を繰り返すことは、物事を立体的に理解していく力になってくれています。

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