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2014年6月28日 (土)

日本サッカーの戦略的失敗 / 芦田宏直先生の教え

努力する人間になってはいけない―学校と仕事と社会の新人論 努力する人間になってはいけない―学校と仕事と社会の新人論
芦田宏直

ロゼッタストーン  2013-09-02
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日本サッカーのワールドカップの結果は含蓄深いものでした。コーチング、組織、メンター、創造性、そして永続性。いろいろなことを考えさせられます。

ザッケローニ監督はイメージを実行しようとしていました。
自分のコマンドを強制力を持って遂行できなかった点が残念。

選手の方は、「官僚的」で「懐疑的」になっていて「チーム形成」をしませんでした。内部の中が分かれていたようです。11人しかいない組織なのに。

さらに、問題なのは、実力でなくどこに所属しているかで色分けしたり、差別化を図ろうとした発言が選手から聞かれていたことです。「~チームに所属している」とか「~リーグ」で戦っているなど、自分の所属で格付けをお互い図ろうとマウンティングが行われていたようです。

肩書きの判断は、これから業績を上げたいハングリーな若手の成長を阻みます。メキシコのキーパーは所属リーグが無く無職ですが、GL突破を支え続けました。メッキに過ぎない所属組織名より、本人の能力が大切です。

ボール支配率とシュート数といった作業をきちんとこなしながら、得点がほとんどないという報告も重要です。淡々と作業をこなす努力はしたけれども、合目的ではなかったことを示しています。

「決定力が無い」というのは、目標達成のための行動を行えなかった、あるいは行わなかったと言う意味です。コロンビアは日本より走らず、パス回しに努力を払いませんでしたが、ポイントを稼ぎました。「努力しなかった」コロンビアが勝者です。合目的。

得点に結びつかない努力。作業そのものが目的になってしまう危険性を冒頭の芦田宏直先生が指摘しています。

芦田先生は、「結果が伴わなくても、努力し続けたのだから評価すべき」という感傷を、「たちの悪いムダ」とおっしゃっていて、本のタイトルにもなっています。一生懸命なだけに「正しそうにみえ、人の話も聞かず」しかも「合目的で無いために」たちが悪いと。

負けたことから新たな発見を得て、次に行くという創造性が必要でした。応援した国民への応答もなく、現地解散で無に帰しました。それまで、沢山物を語っていた人々が一声も発しない。

もし、今回の経験を中学高校生をふくめた若手の選手たちと、組織として知識をホットなうちに共有していれば、4年後、8年後の日本のサッカーに役に立てたかもしれない。「俺たちはここでこんな風につまづいたけれども、次はがんばれ」と。

監督はいなくなり、選手もバラバラに好きな場所へ帰って行きました。これらの永続性を断ち切る一連の動きは、含蓄深く示唆に富みます。多額のコストをかけて得た貴重な経験を共有せず無に帰すやり方は、自分を磨く他山の石として、ものすごく勉強になります。

個人でバラバラに育っていく時代から、永続的な成長システムを考える時期に来ているように思います。

実現すべきは、自己の個の拡大を語る話者ではなく、イチローやメッシのように黙々とチームを形成して合目的に業績を上げていく名もなき勇者(アスリート)たちです。

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