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2016年9月 6日 (火)

頭痛へ天候は影響少なし / 晴れていても閃輝暗点と三叉神経痛の増加 / 自律神経は狂わない / 頭痛専門医のトップの先生方のコンセンサス

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8月、9月は、台風が沢山通過しました。これからもやってくる予定になっています。ここ数日は晴れていましたが、頭痛の方がたくさんいらっしゃいました。閃輝暗点の方も見えられました。

『低気圧で具合が悪くなる、痛みが強くなったきがする』とおっしゃられる方がいらっしゃると、僕は、『実は、脳の作業量や疲労、睡眠リズム障害、月経周期の方がはるかに強い片頭痛の原因になるんですよ』と答えることにしてます。

実際、『あ、そうそう、すごく忙しかった』あるいは、『夏休みだったので、夜更かし寝過ぎで睡眠リズム崩れていました』という方がほとんどです。天気のせいにしてしまうと、盲点になって見失ってしまいます。

頭痛ダイアリーでは、月経周期による頭痛の変化がほとんどで、天候悪化にそって頭痛が起きている人はほとんどいません。

ちょうど、MCSSという日本中の頭痛専門医が集まる会合が六本木ヒルズであり、発表者としてお仕事をしました。そこでの先生たちの意見も全く同じで、患者さんの診療では、天候の話題は会話を始めるには挨拶ぐらいにはなるけれども本題は、月経関連片頭痛や薬物乱用頭痛になっていくということでコンセンサスが得られていました。

済生会松山病院脳外科の田中先生も、『同じ意見だし、みんなそう言っているからこのグループの意見としてはなしたら・・・』ともおっしゃっていました。最終的には、『もっと大切なことがあるから、わざわざ触れる必要もない』ということになりました。

懇親会での竹島先生、五十嵐先生、平田先生、鈴木先生(頭痛学会代表理事)や荒木先生(お会いした順)にも、伺ってみましたが、頭痛のトップクラスの先生方のお話はそういったことで皆一致していました。睡眠リズム障害のオレキシン、神経障害性疼痛が慢性頭痛とどう関係あるか、などに話題が集中していました。

『登山が趣味で、例えば富士山に行くと650hPaだけど、大型台風でも940hPaぐらいで、富士山や八ヶ岳に行っても頭痛が起きないから台風は問題無いですね』とおっしゃっていた女性もいらっしゃいました。答えはもちろん、『YES』。

また、天候の変化は、気圧だけではなく、気温の変化、日照時間の変化などいろいろな変化を伴います。

喘息や循環器疾患、神経痛痛は、気温変化による影響の方が大きい。救急診療医をしていると、気温変化の大きい日に喘息や心血管系の悪化の方が見えられることが多くなります。長く実地診療にあたってきた臨床医の先生方なら皆さん経験しています。

これから秋に入り急に気温が下がると、温度変化による神経痛や関節痛の方が増えてきます。

また、自律神経という、脈拍、血圧、呼吸数などをコントロールする命をまもる神経システムは強固で、多少の気象変化に影響を受けることはありません。そのため、雨の日でも人間は活動を続けることが出来て、雪の日であっても走る事ができます。

自律神経失調というのは、精神科領域だけで生きているレガシィな病名です。モダンな医師はもう使いません。特に神経内科医や脳外科医、あるいは普通の臨床医は、迷走神経が麻痺したり、交感神経節が麻痺することなんてあり得ないことを知っているので、この病名は使いません。

古来から、人間は天候変化の中で生きてきました。人間は、温度であれば、寒冷馴化、温熱馴化あるいは、気圧であれば高知順応と呼ばれるように、日頃からきをつけると上手に適応する能力を持っています。

運動や食事で、体を整えること。レジリエントな肉体をゲットしておくこと。
月経中などは無理をしないこと。(ホルモンの波は鍛えられないのでいたわる)
サーカディアン・リズムを整えて、余力を蓄えること。

今日は、認知行動療法で、朝に勉強できるようになった女性が、『あんなに気にしていた雨なんか、全然影響ありません!頭痛の回数も減っています!』と受診されました。サーカディアン・リズム障害が頭痛の原因でした。

私は、患者さんに、体を整える方法や、食事、無理を避けるタイミングをお知らせしてきました。メディアの方にも正しい医療情報をお伝えしてきました。

『臨床的な診療上の正しい医学情報』という軸足を忘れないようにしたいと思っています。

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