脊髄小脳変性症(SCD/SCA)の分類
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration: SCD / spinocerebellar atrophy: SCA)は、やっかいな病気です。
沢山の患者さんを拝見してきましたが、あせらず、やっかいな症状とずっと一緒に戦って行かなくてはなりません。
今回は、簡単に脊髄小脳変性症の分類についておはなし致します。
私の教授が監修されましたパンフレットから引用しております。(SCDサマリー全5冊、金沢一郎東京大学教授 監修、水澤英洋 東京医科歯科大学教授 編集)
先日、脊髄小脳変性症は、小脳の症状を中心に、脊髄にも病変が及ぶとのお話をいたしました。
小脳と、脊髄は横から見るとこのような位置関係にあります。
まず、遺伝性(ご家族に同病の方がいらっしゃる)か非遺伝性かに分けられます。非遺伝性で、その方だけの発症の場合、“孤発性”とよびます。
遺伝性のものには、図のピンク色の部分に示されたように、遺伝情報が特定されたものも多く、SCA#(#には番号が入ります)と分類されてきてます。
大切なことは、小脳だけの症状にとどまるのなら、運動機能に影響がおよぶだけなのですが、多くの場合他の症状も合併してきます。
小脳症状だけでも大変に苦労するのですが、脊髄小脳変性症には、小脳症状だけでなく、数多くの合併症を来す方もいらっしゃいます。
自立神経症状や、その他のシステムにも障害が起きると、本当にやっかいです。
例えば、シャイドレージャー症候群(Shy-Drager syndrome)という脊髄小脳変性症の方は、強烈な自立神経症状から、立ち上がると血圧が120/90mmHg位から一気に60/ー(ーは計測不能ということです)まで降下してしまう人がいます。
立ち上がると、気を失ってしまうことが頻回に起きてきます。
こうなってくると、ふらつかなくても立ち上がることが難しくなってしまいます。
自立神経症状については、“自律神経”が何かをお話ししなくてはならないので、次回に引き継ぐことにしましょう。
本日の情報は、
(上記のこの表紙のパンフレットからご許可をいただいた上で、
引用致しました。
神経内科のいる病院なら置いてあると思います。
新松戸の近くであれば、10月以降、大和田医院までいらして頂ければ、お渡しできます。)
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