いつも読む絵本/『木を植えた男』
私は、時々出してきて読む絵本が何冊かあります。
特に、木を植えた男が大好きで、今日もこの絵本を読みました。
アルコールとの相性もいい。
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何回も読み返し、ずいぶんぼろぼろになってきましたが、新しいものに買い換えたい気持ちは全くありません。
この絵本を読み返したときそれぞれの思い出が残っている気がするからです。
ただ、誰の指図でもなく、自分の信じるままに何万個ものどんぐりを植えていった男の話です。
戦いのときにも、
世間のいろいろな騒動にも、
せちがらい人々の毀誉褒貶にも、
何も興味がなかった男。
植えたどんぐりのごく一部が苗となり木となり森となっていくさまは圧巻です。
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能率よく森を作るために沢山の苗を作るプラントを建て、一気に人を雇い、森を作っていくことのほうが良かったでしょうか?
「森をつくる」という目的に関しては正しそうです。
ですが、多くの人々が一定期間住むとなると、周辺環境は破壊されるでしょう。
あるいは、作業を監督する人間と雇われる人の間の軋轢も生まれるかもしれない。
プラントに集まる男たちは、この男のように自分で信じてどんぐりを埋める人間だけではないでしょう。
そもそも、一人の男の作業で良いのに・・・
という疑問もわきます。
彼の行った作業は、個人の小さなこつこつとした作業に、飛躍的な発展が宿っている可能性があるという大切な事を明らかにしたのです。
大きな組織の無意味さや、適切なもの、人が自然に暮らしていくために必要なことを洞察し、こつこつ作業していく大切さを示しています。
また、自分の人生を重ね合わせると、さまざまな場面で自分で行ってきたこと、喜ばれたこと、これからしていきたいことを静かに顧みる機会を与えてくれます。
絵本には、沢山のことを教えてくれる力が宿ると信じています。
今の私には、一歩ずつしかすすむ方法しかありませんが、あわてないで皆と喜びを楽しみながら一歩ずつすすめばいいという気持ちになれます。
すばらしい羅針盤です。
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