本番
本番の日がやってきました。
英語のポスターを独りきりで発表するのは初めてです。
いつも仲間たちがいて、助けてくれたのですが、今回は独り。
朝、とても早く目が覚めてしまって、2分間でお話できるように何回も練習しました。
胃が痛い・・・
今日は10月10日。数ヶ月前から準備してきた日です。
二日目の会場。京都国際会議場。
曇り空に戦艦のようにそびえています。
大丈夫かなあ・・・
と思っていると頭痛大学の間中先生が。
お邪魔にならなければ・・・と申し出ると、快く頭痛の拙書を受け取ってくださいました。
幸先はよいです。
少し緊張がほぐれました。
会場に到着しましたが、私の発表は午後。
それまで先端のお話をお聞きすることにします。
片頭痛の治療は血管の拡張を改善することだけではないということを知り、また衝撃を受けました。
片頭痛は、血管の病気でもあり、神経細胞自体の病気でもあるのです。
こういった話が教科書に載り、みんなが知るようになるのには何年もかかる。
概念の変換が必要です。
京都にきてよかったです。
患者さんに最先端の知識を持って治療に当たれる。
時間が来たので、ポスター会場に向かいます。
水澤先生にお会いし、「君のポスター見たけど、まあいいいんじゃない?」というお褒めの言葉。
少しほっとします。
水澤先生は直後に控えている神経感染症学会のため、別な場所へ。
偉い先生方は本当に大変です。
準備されているオレンジジュースを二杯飲んで、「さあ、本番」です。
オレンジジュースおいしかったなあ。
東京衛生病院というすばらしい病院の金子先生が応援してくださっていて、少し落ち着きを取り戻しました。
やさしさが身にしみます。
人生の織り成す綾が少しだけ異なっていたら、部下にさせていただいたのですが・・・
これも、ひとつのご縁。不思議なものです。
ウオーミングアップのため、片頭痛のスクリーナーの発表をされたトルコの先生に質問をして、英語に頭を切り替えます。
隣はイタリア人の女性の方。片頭痛発作の後に精神的に作業効率が落ちるお話をされました。少し、ディスカッションがあって、順番が回ってきました。
ほぼ時間通りに発表は終了しました!
いくつかの質問を受けて、次の方へ。シンシナティから来たプライマリケアの高齢のお医者さんです。
ところが、これが、時間関係なくしゃべっている。いい人なんだけど・・・
こんな風に適当に面白くしゃべっていいんだったら、今朝の早起きして、胃を痛くして何十回も練習したのはなんだったんだろう・・・
ま、いっか。
本当は発表の間に写真撮ってもらうはずでしたが、あがってしまって、終わった後に写真を撮っていただきました。
後ろが、苦労したポスター。
3年間のデータの蓄積です。先輩にもほめてもらってうれしい。
先輩もうれしそうです。
いやあ、やはり医者はこういった患者さん中心の発表をうれしく思うものです。
全国世界共通。
発表も無事終わり、コーヒーブレークの後再度メインホールで講演です。
コーヒーが潤沢に準備されているのはカフェイン中毒には天国です。
神経のシナプスにもトリプタンが効く場所があるというこれまたすごい事実。
トリプタンは血管に効果を持つだけではないということか・・・
まだ、頭が最先端に慣れません。
ポスター会場においてきた、頭痛の拙書はみんななくなっていました。
興味もって、専門医の先生方がお持ちになったと思うととてもうれしい。
名刺も半分に減っています。
早速、インドネシアの先生から「絵がcute!」とのメールが。
いいなあこういうコミュニケーション。
明日お会いできたら、お会いすることに。でも、彼らは、京都のお寺にexcursionに行くそうなので、お会いできないかも。お会いしたこと無いので、顔わからないし・・・
やっと終わり、少し疲れたので先輩と、ホテルの近くの郷土料理屋さんで夕食。
待ち合わせの時間の間に、応援メールをくれた、博報堂のNaBさんと鉄球さんにお礼のメール。ありがとうみんな。
本も評判すごくいいです。
まずはビールです。
秋刀魚の生き作り。
神経内科や今の医療制度について話しました。
充実感もあったのですが、やはり、ほっとして疲れました。
明日から、また最先端の講演が続きます。
沢山寝て、沢山学ばなくては。
原点が大切ということをまた、学びました。
つらかったけれど、独りきりの挑戦だったけれど、友情を知ることもできました。
京都のホテルで、独りで早朝、何十回もせりふを練習したことは一生忘れないでしょう。
人間、自分が変わらなければ、次のフェーズに行けません。
ココログがメインテナンスでアップロードが遅れ遅れになってしまった・・・
« 国際頭痛学会初日です! | トップページ | 郵便局にJTBが進出しています・・・ »
「03.頭痛、神経内科」カテゴリの記事
- ALSが治る未来 / チロシンキナーゼ阻害薬 ボスチニブ(2021.10.02)
- 肩こり体操 / テレワークの合間に(2021.08.13)
- 夏の頭痛について取材にいらっしゃいました(2020.06.17)
- 「脳を守る」という軸足(2020.03.21)
- 片頭痛治療薬ウブレルビーUBRELVYが米国で認可されました(2020.03.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント