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2005年10月24日 (月)

脳梗塞のtPA治療

10月11日に承認され、脳梗塞にtPAが保険治療として使用できるようになりました。

脳梗塞は脳にいく血管が血液のかたまりで詰まってしまい、脳の組織が傷んでしまう病気です。

この「詰まり」をとれば、良くなるとどの人も思います。

その血管の塊(血栓)を溶かすtPAが使えるようになったという報道です。
本日の読売新聞の夕刊10面にわかりやすい記事が載っていました。

でも、tPAとは何でしょう。

血液は、血管の中では流れていて液体ですが、いったん外に出ると固まります。
固まる潜在的能力を秘めた液体と考えられます。

これは、いったん血管が傷んで穴が開いたときに、その場所からどんどん血液が出て行かないようにする大切な仕組みです。

傷んだ血管のところで血液が固まれば、栓となり、出血が防げるからです。

ところが、高血圧や糖尿病などで、血管の内面に傷がついてくると、血管を流れている血液が血管の中にもかかわらず固まってしまうことがあります。

これが血栓です。

じつは、tPA(組織プラスミノゲンアクチベーター)はこの血栓に選択的に反応し、血栓を分解していってくれる優れものなのです。

血液を固まりにくくするお薬はいくつかあります。

ですが、脳梗塞のときに重要なのものは、血管の中にできた血栓です。
その部分に薬を効かせようとして、その他の部分で血液が固まりにくくなる作用を持つのは困るのです。

たとえば、私は血栓予防のためのお薬を内服している方が、足がとても痛くなり来院された経験があります。CTを撮ってみると、筋肉の中に大きな血腫という血の塊ができていました。

血液が固まりにくくなるお薬は、予防としては大変に有効です。

しかし、いったん血栓ができてしまったときの治療薬としては、理想はやはり、余分にできた血栓だけを溶かすお薬が必要なのです。

tPAは発症3時間以内に使用する必要があり、専門の病院での点滴加療となります。

できるだけ早く気づいて、この治療を受けられる病院を受診する必要があります。

そういったことを周知させていただいたということで、この記事は良かったと思えます。

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04.栄養運動医療アドバイザー / 医療コラムニスト」カテゴリの記事

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