健康番組の間違い
昼間の健康番組には本当にびっくりしてしまいます。
酵素を食べると体の酵素を補うことができる ような発言があったのです。
しっかりした良い情報を手に入れるのには本当に苦労する世の中になりました。
先日、テレビを見ていたら、医者がとんでもないことを言っていました。
「酵素は人間には欠くことのできない物質です。ですから酵素の沢山入った発酵食品などの食べ物をたべましょう!」
なんか、酵素の多い食事を食べると、酵素がそのまま私たちの体に入ってくるような発言です。
酵素はたんぱく質です。
人間は他の植物や動物のたんぱく質をそのまま吸収することはほとんどありません。
アミノ酸レベルまで分解したうえで、吸収し、その人なりの酵素に細胞内で再合成するのです。
素直に上の発言を聞くと、酵素をとると、その人の酵素を補うように聞こえます。
でも、上記の発言は巧妙にこの誤りを回避しています。
この発言には、どこにも、食べた酵素が取り込まれるとはいっていません。
彼は、「酵素の多い食べ物を食べると(いったん分解された上で吸収され、再合成された後用いられますので(肝心なここを省略))体に良いでしょう。」と言っているのかもしれません。
でも、大変に誤解を生むストーリーでした。
もしかすると、非自己の他の生物のたんぱく質である酵素が、免疫システムを免れてからだへ吸収されると、真面目に信じているのかもしれません。
吸収された血液の中や肝臓でさまざまな酵素が活性を持ったらめちゃくちゃになってしまいます。洗濯洗剤の酵素じゃないんですから。
クワバラクワバラ。
そして、検証なく次のコーナーへ。
発酵食品の効能はいくつか知られています。
発酵菌の胃腸への良い効果と直接触れる消化管へのダメージ修復作用が報告されています。
でも、発酵食品の中の酵素が人間の酵素と置き換わる話なんて聞いたことありません。
どうして、テレビの健康番組はこういった検証を全くしないで言いっぱなしにしてしまうのでしょう。
その前のPCBが人の寿命を決めるというのもひどかった。
人の健康にかかわるものは、もっともっと慎重に検証されるべきものだと思います。
正しく優しい知識をお伝えするほうが視聴率は取れるはずです。
最近、「使い捨ての知識だからもう見ない」という視聴者が増加してきていると聞いています。
視聴者は正しい。
健康を守る知識を使い捨てしてはいけませんし、そもそも真実なら捨てられないでしょう。
誤った判断に右往左往するのに疲れてしまったのかもしれません。
和食腹八分目。酒半分。
それで十分。
昼間の健康番組を推奨しているその道のプロの医師を私は見たことがありません。
報道は信頼の上に成り立っているはずです。
それなくしては、報道の意味が無くなっていってしまいます。
健康についての情報は、事故の報道のようには急がなくて良く、その代わり誤差を最小に抑える必要があります。
コミュニティ誌では、プロが見ても馬鹿にされないような記事を連載するつもりです。
昨日とどいた、偉い先生からのお便り、
「最先端の治療法にも触れられていながら、わかりやすい著書。どうもありがとう。」
を胸にまた働くことにします。
テレビの昼間の健康番組は見ない事が、良い健康法かもしれません。
ご近所の良心的な医師の声に耳を傾けることにしましょう。
(この記事は数日前のものを整理するために編集したものです)
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