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2005年12月 7日 (水)

昨日は大きな山

昨日は大きな山場を迎えました。4つの大きな波があったのです。

午前午後の外来の合間の時間をぬって、
ランチを取りながら、子供たちのための手塩をかけて作成した高性能チタン食器の話し合いをしました。

いくつかつめていかなくてはならないところがあるのですが、一歩前進です。一つ目の波を超えました。

予約の他に急患さんを何人か拝見し二つ目の波を超えました。


その後、大慌てで、ボーネルンド本社に行きました。三つ目の波です。

PA0_0012一階がショップになっています。
クリスマスの飾り付けになっていてとてもきれいです。
おもちゃや遊びは子供の成長に本当に大切なものです。
良質なものをそろえたいところです。

PA0_0011品物の美しさ、ディスプレイの良さにため息が漏れます。
蛍光色はどこにも見当たりません。
ボーネルンドは私がとても好きな、子供たちの良質な遊びを提供する会社です。


いわゆる『おもちゃ屋さん
や『おもちゃ売り場』とは一線を画しています。

統一された北欧の香りがする、商業キャラクターを完璧に排除した品揃えで前進を続けています。


街角のプラモデルを山積みしている、仮面ライダーカードや凧などを売っていたおもちゃ屋さんの思いでもアジアンな感じで捨てがたいのですが。

清潔な3階のオフィスに案内され、とても有意義な話をしました。

どんなものが子供たちに良いのか。
アフォーダンスについて。
さまざまな角度からいろいろなお話をしました。
ボーネルンドの名前も、ボーネ(遊び)のルンド(杜)というところから名づけられたそうです。
本当にそういう感じのお店です。

ロクシタンのように良質な飾らないもの。

こういった品物が日本で評価されているというのはとてもうれしいことです。

外に出て、原宿から渋谷に急ぎました。

最後の4つめの波の神経病理の先生との会食のためです。
割り勘にすることをあらかじめ決めてあった、楽しみにしてきた会食です。

PA0_0010ボーネルンド本社がある原宿から急ぎ渋谷の郵便局本局に行き、必要書類を郵送した後、山手線で新宿へ。

雑踏の中の埃っぽい街にも美しい三日月が輝きます。

天体はどんなときも公平に美しくまたたいています。

それを観るか、眼をつむるかは私たちの手にゆだねられている。

私は、直観で進むべき道を見分けられる人というのが世の中にいると思っています。
そのゴールを『神々の頂(いただき)』と表現した方もいました。
大勢の人がみえなくても、ある人には見える頂。
見える人が、大勢の人にばかにされながらも、上って行って道が見えてくると、他の人に初めて見えてくる頂。
そういった人は世間の評価などあまり気にしません。
自分の見えている頂に近づくことだけに意識が集中しているからです。
それが『神々の頂』なのです。

最後にお会いした先生は、学問の頂がみえているのだと私は感じています。
残念ながら私にはその頂自体は見えない。
でも、頂が見えている先生を感じることはできる。
先生が上っていく道をなぞることはできる。

そしていつか、その頂を大勢の人に説明できる文章を書きたいと思いました。

病理は孤高の難解な学問だけでは無いと思っています。
別な可能性を秘めている。

生き延びている私たちに希望を与える学問だと思います。
病理学の持つ冷徹な美しさと生きている人に与える希望。

それを大勢の人に伝えられたら・・・

ハヤブサが飛ぶ星空のように、見えるプレパラート上の神経細胞の美しさ。
壊れていく細胞たちの悲しさ。
増殖しようとしている細胞の一瞬を切り取った写真。

プレパラートの上の細胞の星空は真実として誰でも公平にいつでも見ることができる。

それをいろいろに解釈するのは人間です。
そこに芸術が生まれる。

それらが病理なのです。

心の躍動感と歯がゆさを同時にかみ締めながら、おいしいお酒をがんがんにいただきました。本当はもっとがんがんに飲みたかったのですが、思考が回ら無くなってきたのでやめました。

とても良いお酒でした。

帰り際に『また会おうな。先生の言葉覚えておくよ。』の言葉が身にしみます。

いつか、そういった本が書ける機会が訪れることを祈りながら、雑踏の中に消えていくベージュ色のコートの先生に手をふりました。

最近、そういった専門性の高い分野を面白く伝える本がベストセラーになっているので、どこかの出版社がアプローチしてくださるのを待つことにしましょう!

私もコートの襟をたてて、無事四つの波を超えられたことを、冬の星空に感謝しました。

冬の北斗七星、寒北斗を詠んだ俳句も無事投稿終わりました。

本当に無事全部の波を乗り越えられてよかった。緊張の連続の一日でした。

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