官公庁のしきたり
官公庁のだす結論には結構笑えるものがあります。
小さなカメラの三脚や折りたたみパイプ椅子は人工構造物なので、撮影が許可できないというのです。
人の足跡より小さなものなのに。
義足はだめなのでしょうか。
しかも、その判断のために、貴重なチャンスを失ってしまった。
でも、そんなチャンス、もともと官公庁は必要ないのです。
そして、法外な価格で効率の悪いコマーシャルを行う。
私が宮仕えだった頃の、非常にすばらしいカンファランスへの出席を事実上すべて制限されていた日々をおもいだします。
先日、常勤を離れてしまったいまごろ、事務サイドから、9ヶ月前の書類が処理されていないことを知らされました。
『でも、私にはどうしようもない』と答えるのが精一杯でした。
きわめて遅い処理はすなわち、処理を放棄していることと同値なのではないかと思うのですが、諦念です。
そして、年を越えてしまうと、人がすべて入れ替わり、すべてなくなってしまう。
それが答えです。
諦念という概念を少し学ぶことができました。
常識から外れていても自分たちの約束を守るために彼らはいる。
私はそれでよいと思います。
外側では競争が渦巻いている。
実は、どのような判断をしても、その結果はすべて判断した方々に戻ってくる。
このまま、鳥取砂丘は栄えることなく商業的な面から消滅する選択をしただけです。
でも、非難される必要はどこにもありません。
自県を盛り上げようとする方々に冷たいこの作業は、官公庁はなんらかの目的を達成するために存在するのではなく、自身の作業を行うために存在するという、当たり前の事実を大変によく教えてくれる事象です。
日本の砂丘ということで、オーストラリアで撮影すれば多くの物事は解決するでしょう。
今後鳥取砂丘では、三脚も、折りたたみイスもすべて禁止されていくでしょう。
美しい撮影もできない。
彼らはそういう選択をしたのです。
こういったものには何もできない。
私は感慨無量で少し悲しく拝見させていただく事しかできません。
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