俳句の添削
初夏の句を幾つか詠みました。
冷風が一瞬撫でさる夏花(げばな)かな (大和田優仁)
まだ冷たい風が吹く事もある初夏。
生命を誇るお供えの夏花の生きる力と接するところに、生命のエッジがあると感じ詠んだ句でした。
この句が、宇咲先生に添削してもらうとこうなります。
野の風に生を語らう夏花かな (宇咲先生添削後)
うーん、なんとも優しいそれでいて、夏花の生命感があふれています。
野の風という言葉が、熱風ではなく涼しげな風であることも素晴らしい。
私の冷風では、エアーコンディショナーの人工的に冷やした風のようです。
私の中のイメージ、お寺にお供えされた花の表面を流れる風も、花の生命力も両者が現されています。
やられました。
季節が少し遅いと言うことで、見送りになった次の句は、突然の雷雨の中、編集長さんにお会いしに行く私の不安感と期待感を現したものでしたが、お褒めの言葉をいただけました。
時の空はこちらです。
千代田線のホームの突端から空を見上げると雷に空が輝いています。
ところどころ青空は見えていますが激しい雨がたたきつけます。
通常、雷と雨は一緒くたで厄介者になりがちです。
でも、この時はまるで、雷が暗い雲を切り裂いて、青空を見せてくれているようにも思いました。
雷が羅針盤のような気がしました。
このように土砂降りの人生の中でも、一条の光を元に一歩ずつもがきながら前にすすめたら、と思い詠んだ句はこちらです。
春雷や きらめき開く 暗き雲 (大和田優仁)
そして、雷に照らされる雲は決して同じ色ではありません。
太陽の光、雷の色、雲の厚さ、雨の色。
そういったものを生き生きと感じられる感性を研ぎ澄まし、共有できる言葉に変換できたら素晴らしいと思っています。
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