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2006年6月26日 (月)

『医療崩壊』から・7

医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か 医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何か
小松 秀樹

朝日新聞社  2006-05
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『立ち去り型サボタージュ』とは何でしょう。

立ち去り型サボタージュとは簡単な事です。

医療従事者が自分の生命そのものも脅かされる激務に疲弊し現場から立ち去っているという事です。

お金も何も要らない。

ただ、休息と家族と十分過ごせる時間が欲しい。
御昼ごはんを食べる時間や、ゆっくりトイレに入る時間が欲しい。

訴えられる心理的圧迫下に、連続30時間以上不眠不休で働くのを止めたい。

ただ、それだけです。

声を上げて、現況の解決をするのが王道かもしれません。

しかしながら、医療システムは大きな統制経済の中で動いており、現場の医療従事者には何も変化させる力はありません。

絶望した医療従事者は現場を離れ、復職しなくなりました。

その結果起きているのが、私が先日お話した、『ドミノ辞め』です。

『ドミノ辞め』の次は、地域医療機関の『ドミノ崩壊』が待っています。

そして、入院医療機関が崩壊し始めているのです。

これは、厚労省の推し進める病床削減政策にも合致しているため、どんどんこの流れは進むでしょう。

皆さんの周りでも、『病床が満床のため、入院の可能性が有る場合、当院の診療は本日うけられません』と言われてしまった経験がある方がいらっしゃるでしょう。

私も患者さんをクリニックや在宅の現場から紹介しようとして、そのように言われてしまったことが何度も有ります。

看護師さんや医師数で加療できる入院病床が決定してしまうため、彼らが立ち去ってしまった病院は、救急も入院も断らざるを得ません。

救急病院も余裕が無いのです。

誰かがサボったわけでなく、システムが悪いために現場から人々が消えていく。

こうして、無力感から医療の専門技術を持った人々はくしの歯が抜けるように、静かに立ち去っていくのです。

詳しい様々な事例がきちんと紹介されていますので、実書を是非ご覧ください。

次章は、世間的には伏魔殿と思われる医局講座制について述べら得れています。

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