日本の伝統色100色/微妙な色の感じ分け/自然を愛する国民の文化/知的財産、インフラの共有の大切さ
少し薄暗いコンコースを抜けて、品川の駅を渡ります。
今日は、私にとって、とても大切な一日となりました。
これまで、日本の各地を旅して、いろいろな医療制度を見て回り、沢山の先生からお話を伺い、いろいろな事を考えてきました。
MIT(medical information transport(er))やMLP(medical life plan(er))と言った概念にたどり着く事ができました。
また、本を作る中で、様々な話題を考え、デザインを考え、UNLに出会い、本当の医療デザインのありかはどこかといところから、medical affordanceと言う概念を仲間達と作って提唱してきました。
また、同時に、療養型病床群、薬剤師さんなど多くの方にお話をして、先日はグッドデザイン賞の場面でお話をして、沢山の方々とお話しする機会に恵まれました。
その中で、個人でできるソリューションを少しでも社会に還元できるように考えて、少しずつ計画し実現してきました。
今日、國本名古屋大学教授とクオーレアモーレの佐藤さんと、僅かな時間でしたが、それまでの人生が凝縮し結晶化したような時間を過ごす事ができました。
大切なときには、僅かな時間がダイアモンドの結晶のようにはまり込むものだと実感しました。
太陽の光がレンズで収束するように、今日、その暖かく広がっていた光が焦点を持ったのです。
メタボリックディジーズの解決策は、人々に『良い舌』を取り戻してもらう事が大切です。
子供のときからの舌の教育が大切である事を、ボーネルンドさんの『あそびのもり』の親学でお話させていただきました。
それは、食育に携わる、博報堂生活研究所の方々のご意見とも一致するものでした。
牛乳が命のしずくである事も彼らに教わりました。
今では、私は牛乳を一滴たりとも無駄にしないように大切に飲むようになりました。
そして、今日は、日本の伝統100色の色見本に出会ったのです。
日本人は古来から味と同様、とても階調豊かに色も味わってきました。
これらの色の豊かさはどうでしょう。
青系だけでも沢山有ります。
しかしこれは、パソコンのインデックスカラーとは全く異なるものです。
人々が何年もかけて、『美しい』と感じる色を選んできたのです。
この色見本には自然界から感じ取った人々の息吹と歴史が納められているのです。
この色見本帳を開くと、そこから、様々な自然が立ち上る。
西洋の彩度や明度で分類した色見本とは、思想自体が全く異なるものです。
石竹(せきちく)、黄蜀葵(とろろあおい)、夏椿(なつつばき)、秋桜(こすもす)、金木犀(きんもくせい)・・・
どこにも、赤、黄色、青などの色がありません。
薄ピンク、濃赤色、真っ青など、まず、三原色に分けてから、その階調を決めていく事とは全く異なる事が分ります。
それぞれの色にそれぞれの自然の名前がある。
その紫は、『えび色というより、あやめ色を暗くした、そうだな紫苑の色だな』という芸当ができるのです。
これらの色は、一見すると紫ですが、布の色見本を見れば一目瞭然です。
我々が、服を買いに行ったとき、大切な人への贈り物のラッピングを選びに行ったとき、『こんなに色数があるのに、しっくりする色が無い』というのは、実は色体系そのものが自然を愛する我々に優しくないからかも知れません。
こういった色体系がある事を歴史的財産として、子供達にも教えて、皆で共有して、多様性のある豊かな文化を醸成していくことこそが大事なのです。
ウエブページを作るときに、インデックスカラーやHTMLの数字ではなく、『すみれ色』にして欲しいと指示できたら、どんなにいいでしょう。
医療インフラにも同じ事が言えます。
医療の未来形、それは、こういった社会インフラを考え、広い視野の中から醸成されるものだと思っています。
医療機関にかかり、『しっくりこない』と言うのは、同じように、人々に優しい自然に基づいた体系で無いからに違いありません。
正解はありません。
でも、共有し、人々の間を、そして、多くの世代を渡っていく知的財産をどれくらい醸成できるか。
それが、その国のもつ文化の意味だと思っています。
医療インフラはそれをめざしてきたか・・・
これからどこへ行くべきか・・・
私がときおり感じていた孤独が今日は氷解した日でした。
答えは天の声のようにやってくるものだと思いました。
不思議なものです。
まるで、ミネラルが沢山溶けた水溶液の中で、エメラルド色の透明な結晶が急速にに育つような感覚を味わう事ができました。
(テトリスのかけら)
( 今日の記事は、未来、アップロードされるファイルにはまり込む記事になっています。それを『テトリスのかけら』と名づけました。)
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