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2006年9月16日 (土)

済生会 熊本病院 副島先生のお話/開業医/良きGPへの道

診療を終え、霞ヶ関に急ぎました。

済生会熊本病院の副島先生のお話を厚労省社人研で聞くためです。

副島先生は、大腿骨頭置換術をアメリカでやると、3日で退院し、家庭医と家庭内リハビリでその後の治療を行う姿を紹介されました。

また、様々な当たり前でありながら、気づかされる事が多い会議でした。

熊本での医療連携のお話。

麻酔科医がとても不足しているので、麻酔師などを作り、作業を分担するなど、もっと医療技術をコメディカルと協力してやっていく必要があること。

勤務医が働く救急病院などの大病院が昼夜問わずのフリーアクセスを支えていると言う事。

特に、勤務医の技術評価が正当に行われず、優れた医師はさらに仕事が過酷になるが、保険診療では全くその点が考慮されていないということ。

その中でも、開業医についてのお話がとても面白かった。

私は、質の高い開業医が救急医療機関への振り分け外来となり、また、治療の最前線に位置する事になり、医療システムそのものを破綻から防ぐのではないかと質問をしました。

先生の答えは明確で、

1.日本には良質な専門GP(general practitioner)育成システムが未熟であること
2.そもそも開業医は何らかの専門医が多くて、本来の医療全般を診れるGP化がなされていないこと
3.GPとは、内科+老人科+小児科+トリアージを理解する救急医療ができる良質な医師であること


と言うものでした。

私は、いま開業医の形態で働いていますが、まだまだ勉強が足りません。

今後、自分の医療の質を高める教育機関との連携を始める勇気がわきました。

日本に良質な医療システムを構築すると言う事。

それは、一歩ずつ、こうしたとても志の高い先生達とお会いし続けていく事だと、今日、思いを新たにしました。

060913_22440001 副島先生を品川にお送りし、帰宅する途中、美しい東京タワーの姿を拝む事ができました。

高速に乗り、銀座を抜けて皇居の周りを巡って、高層ビルを眺めていると、東京と言うのはとても大きな都市だなあと思いました。

沢山のシステムが動いている大きな巨人です。

BGMは攻殻機動隊のvelveteenを繰り返し聴いていました。

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このサイバーな都市でどのような医療を展開すべきか。

もう、医師が自分の視野の範囲だけで開業する時代は終わりました。

大きな医療システムの中のギアの一つである自分。

社会インフラとしてのクリニックのあり方。

質の高いGPへの教育システム。

それらの総和としてもたらされる患者さんへの良い医療。

私がすべき物事が急速に焦点を結び、その光束が行く先を示しているように感じました。

雨の中、ワイパーの音とvelveteenのハイソプラノだけが響いていました。

(テトリスノカケラ)

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