医療と郵便の類似性2
公的サービスのコストカットが意味する事は、それぞれのサービスを利用する機会を減らす事と、サービス提供所の減数化と集約化を意味します。
難しいのは、利用者がそのサービスの全体や、一度もそんな事を考えた事がないのに、『いざ利用しようとした時にはじめて』気が付くということです。
また、そのより良いシステムがどのようなものか、一般国民は解らない。
『なんでもいいから、良いシステムにしておいてくれよ』と言うのが実情だと思います。
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公的サービスのコストカットが意味する事は、それぞれのサービスを利用する機会を減らす事と、サービス提供所の減数化と集約化を意味します。
難しいのは、利用者がそのサービスの全体や、一度もそんな事を考えた事がないのに、『いざ利用しようとした時にはじめて』気が付くということです。
また、そのより良いシステムがどのようなものか、一般国民は解らない。
『なんでもいいから、良いシステムにしておいてくれよ』と言うのが実情だと思います。
いじめは存在します。
医療事故と同じように存在している。きっと、避けられないものなのでしょう。
予想できないところで起きたのかもしれません。
今の報道をみると、いじめは『恐喝』とよべるものです。
決して、遊びの範囲内では無い。
医療事故はとても厳しく糾弾されます。
それは、人の命が懸かっているからです。
子供の未来や命を左右する教育現場も同じように、ミスによる糾弾がなされるべきでしょう。
カリキュラムの未履修は命と言う点からは犯罪性は薄い。
RNAについてまた新しい知見が加わりました。
日本の産総研(産業技術総合研究所)が鋳型無く、RNAの端末を合成する酵素の構造と機能の解析に成功したのです。
鋳型が無いという事は、酵素が自分でRNAを作っていけるという事で、画期的な発見です。
こちらにその報告があります。
これを読むととても面白い事がわかります。
先日、医療事故に対する第三者機関が内科学会のモデル事業としてきちんと動き始めていると言う事をお伝えしました。
こういった機関は医療システムを守り、患者さんのためにも是非とも必要なものです。
警察などへの届出はもちろん必要です。
ですが、警察のシステムが、医療的なものを判断するのは難しい。
今回、幅広く、このシステムが採用され運用される事が報道されました。
日本健康科学学会の『健康のマネジメントを考える』という学術大会から招聘されました。
この学会は、行政、専門職だけでなく、サプリメントまで含めた横断的な建設的な会合です。
食育のセッションや、展示コーナーや落語も有るようです。
なかなか賑わいのある学会になりそうです。
私は、10月27日にはセッションの座長、10月28日にはシンポジストとしてお話しする予定です。
シンポジストのパネラーとしては、『新薬とジェネリック薬』と言うテーマでお話します。
私は、ジェネリック薬にそれ程アレルギーは無くて、いつもどうするか、患者さんと相談して決めています。
ジェネリック薬の果たす役割、現状と抱える問題、今後についてお話しする予定です。
ファイルは既に送付済みですので、優秀な他のパネリストの方や会場のフロアとのセッションが楽しみです。
『必ずジェネリックにしてくださいね』とおっしゃる、ブランド物が好きな50台後半の患者さんがいらっしゃいました。
彼女は糖尿病で、薬を欠くことができません。
院外処方の『ジェネリックに変更可能』の印を押し忘れただけで、もう一度ブースに戻られ、とても怒られてしまった事がありました。
もちろん、こちらの落ち度なので、平謝りです。
院外処方箋には上部に普通の印を押すところがあるので、うっかり、チェックだけして印を忘れてしまうのです。
『いやあ、うっかりしました。申し訳ございません。でも、いったいどれくらい御値段違うんですか?』
『そうですねぇ、2千円と言ったところです。』
『それは大きいですね。』
『そうですよ、この金額差が大きいんです!ちょっとぐらいむかつきが多くっても、錠剤が大きくっても、関係ないもの。大切なのは金額差。先生、いらない薬出したら怒るからね。最小限のお薬で結構。先生がしつこく言わなければ、飲みたくないぐらいだわ。』
その日は、強い剣幕だったので、しばらく私はうなずいてお話を伺っていました。
妊婦さんの転送の問題の報道が続いています。
報道は難しい。
こちらに、詳細な報告がなされていますが、報道から受ける印象とは大分違う事が分ると思います。
現場の方々は必死に動いていたようです。
赤ちゃんより母体を何とか救おうと努力していたようです。
転院を断らざるを得なかった病院には、妊婦さんたちが溢れていた。
そして、彼らもまた、自分達が引き受けられない患者さんを他院でありながらも必死に別の転院先を探していたそうです。
医療者が現場でどんなに歯を食いしばっても解決できない、医療システムのひずみそのものが生み出した悲劇だったようです。
こちらに、稚内市民病院の産科の先生の動画が掲載されています。
高齢者医療についての意見を聞きたいという事で、秋葉原で日本テレワークさんと待ち合わせをしました。
始めは医科歯科の近くの、御茶ノ水のサータンダギーやミミガーの炒め物が絶品のおきなわ軒にしようと思ったのですが、『静かな個室なんてうちにないでしょ』という、おじさんのご意見に従い場所を変更しました。
うーん、残念。地下のお店だったのですが、立派なビルになりました。
日本テレワークさんは、フジテレビ系の制作会社さんのようです。
ホームページを見ると、いろいろな事をする、ダイビングまでこなすキグルミのガチャピンのふるさとのようです。
患者さんと向き合う診療を続けていると、その意味というものを反芻することになります。
見習いの研修医を終わり、救急医療に明け暮れ、大学病院、リハビリ病院、中規模病院、在宅医療、様々な形態の日本の医療で働いたところから、今の外来中心の診療をしている自分を見つめる事があります。
島崎先生と独日社会保障ワークショップの後話しをさせていただいたとき、様々なことを考えました。
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葛西先生の家庭医マニュアルの『あなたはそこにいればいい』と言う言葉に心打たれました。
これまで、明確な指針が無かった終末期ケアに一つの指針が示されました。
(キャッシュファイルはこちらです)
終末期ケアにおける無意味なともすると、生命の尊厳を失わせるような、延命医療に対してご本人の意思を大切にして処置の縮小も可、と言う判断です。
これはとても大切なことです。
養老孟さんの秀文が週刊誌に掲載されていました。
これまで近隣の心配事に対して、たくさんの立場でたくさんの方々が意見を述べられました。
その中でも、今週号の養老さんの短い文が、最も私には正解ではないかと思いました。
(本日手違いでアップされていなかった野町和嘉さんの記事を10月14日付けの記事としてアップしました。どうぞご覧ください。)
午前と午後の診療の間の僅かの間、GMOの七條さんとお会いし、大切なお話をいたしました。
どんなときにもデザインは大切です。
いくら読んでも、調べても良く分らなかった、ネームサーバについてのお話も伺うことができました。
人同士が話すと言うのはとても大切なことです。
妊婦さんが受け入れ拒否を受けて亡くなられたと言う悲しい報道がなされました。
本当に悲しい出来事です。
同時に、夜中にもかかわらず、保険診療下で救急車の費用も公費で、大勢の先生方が病院を探し、6時間で脳と妊婦の救急に対応する病院が見つけられて無事赤ちゃんは救えたという事実も考慮する必要が有ります。
これらの医療機関の医師たちは行える全力の努力を行ったうえでのむなしさと、お詫びの気持ちでいっぱいなのでは無いでしょうか。
でも、こういったシステムの不全は個々の努力を出しきっても届かないものがあります。
私も何度も、救急車に同乗しましたが、夜中、大きな合併症を抱えた患者さんを傍に、いろいろな病院にあたらなくてはならない努力と辛さは、経験した人しか分らないものかもしれません。
アメリカで私の先輩の先生が虫垂炎で破裂しそうになってプレショックになった時、小さなベッドの上で保険証の照会のために、その状態のまま7時間待たされた事を思い出します。
病院内ですが、診療契約が開始されないので、受付の前に放置された状態でした。
しかも、その病院に自費でタクシーで行き、手術の費用は100万円を超えたそうです。
まさに今、保険医療制度をどう考えるかと言う岐路に来ていると思います。
『あした御茶ノ水に行くんだけれど、先生、時間ある?』と國本先生(名古屋大教授)から留守電が入っていました。
会議で電話を切ったままだったので、昨日の夜の電話です。
急いで、今日のスケジュールを留守電に吹き込みました。
なんと秋葉原近くで会議と言う事です。
『こんにちは!』
『すごい偶然だねぇ。僕は今日ぐらいしか秋葉原にこれないんだよ。』
『僕もです。たまたま、内科学会地方会があったので、御茶ノ水に来る予定だったんです。』
こういう偶然もあるものです。
一緒にいらした國澤好衛(首都大学東京教授)先生にもご挨拶しました。
日本デザイン学会が私が開業するビルの裏のダイビルで開催されているそうです。
私がお待たせしてしまった、僅かな時間の間、BOSEのノイズキャンセラーのヘッドホンを先生はゲットされていました。
良いものが始動するときには、何か海流のようなものに流されている感覚になります。
今日は、午前中の診療を終え、まず、衆議院会館へ向かいました。
医療のシンクタンクへ出席するためです。
今日はあまりにも約束がタイトなため、時間の関係上、車で行かなくては行けなくて、駐車場を探しました。
タクシーでも良いと思ったのですが、自分で運転した方が良い気がしたのです。
国会議事堂の周りの駐車場なんてあるのかしら?と思ってい、首相官邸の前を通り過ぎます。
今日の首相官邸は時間のころあいもあり、静かにたたずむという感じで趣深かったです。
心持か、一時よりしっとりしている気がします。
和風でありながら、スクエアな透明でカチッとした建物で、結構好きな建築です。
案内されたのは、少し先にある、角の土地でした。
結構広い駐車場でした。
工事現場の一部を使っているようです。
車種とナンバーが既に連絡されていて、警備の人が手を振って呼んでいたので、スムーズに入れました。
今、野町和嘉さんの写真展「アンデス」が新宿で開催されています。
野町さんは、様々な国の人々の底流を流れる魂を写してきた方です。
現地に行き、現地の人々と交わり、その真実を焼き付けてきました。
それらの写真には、地球上に生きる人間と言う動物の姿そのものが映し出されています。
哲学者達は、人間の大脳生理学や心理学を倫理的な面の考察を加えて沢山記載してきました。
でも、私には、そこに存在するその人たちの姿そのものに、哲学があるように思います。
まだ忙しくていけていないのですが、絶対に見に行こうと思っています。
ご許可を頂いたので、幾つか、下に私の感動した写真をご紹介いたします。
多くの病院が閉鎖して行っていることについては、時々触れてきました。
また、医療システムに経済的な理論の介入が入り込んできて、機会均等性や均一な医療が崩壊していっている事にも触れてきました。
以前、民営化された郵便の未来についても記事を書きましたが、先日、無集配局化によるコストダウンの計画が報道されました。
医療と郵便はとても良く似た経路をたどっています。
今日は、良い天気で、秋にしては蒸し暑い日でした。
午前中の外来を終え、本郷三丁目で行われる内科学会へ急ぎます。
その後、医療機器の選定のため、滝田さんと落ち合いました。
今日、パジェロを作った國本先生、クオーレアモーレの佐藤さんと品川で奇跡的にお会いできました。
先生方は審査や新聞取材を終えて、名古屋へ移動するまでの間に、僅かな時間が生まれたのです。
日本の100色については既に記事をお書きしました。
並行して話し合われた未来型クリニックのお話をしようと思います。
9日夜、休日にもかかわらず、新宿のアラビアンロックという場所の個室で、切れ者GMOウエブデザイナー七條さんと杉森さんと新クリニックのウエブデザインを話し合いました。
風景は、相変わらずの新宿の夜でした。
若者は歌い、若者は若者に話しかけ、横断歩道はあわただしく切り替わる。
何も変らなかった。
帰ってきたらすぐシャワーを浴びるとか、気になるなら、昆布をちょっと食べるという感じでいいのでは無いでしょうか。
日本のエキセントリックではない、この風景が実は好きだったりします。
放射性ヨードに不安な方に少しでもお役に立てたらと思いました。
ナウシカに出てくる火の七日間は何も生みませんでした。
世界を焼き尽くして敵をやっつけるどころか、誰も住めない腐海で世界を埋め尽くしただけでした。
腐海を緑の森に戻すためには、気の遠くなる時間が必要でした。
そして、再生を知る人類の叡智と。
示差に富む考えです。
(テトリスノカケラ)
追記(10月13日):放射能汚染の可能性は無く、これらの心配は杞憂になりました。NTさん、良かったですね。
原子力発電所の爆発などのときの人体の影響は大きく分けると三つあるようです。
1.放出される直接の放射線によるもの
2.放射能を含んだちりによるもの(雨に解けて降下するものを含む)
3.地上の生き物や、地下水に解けて食物連鎖に入り長い年月を経て影響するもの
です。
(専門家によるものではもっと細かく分かれていますが、難しくて理解できない面も在りました。)
このうち、放射能を放出する場所から離れたところの放射能の影響は、大量の放射能物質を含む塵(ちり)によるものと考えられます。
その中でもチェルノブイリ事故を見ると、放射性ヨードによる影響が大きいように見えます。
酷い皮疹でしたが、結局ネコ蚤だったという患者さんがいらっしゃいました。
(良質な医療情報提供ならということで、ご本人さんに写真掲載の許可をいただきました)
赤い皮疹で、中央が少し膨隆しています。
痒いところと痒くないところが有るそうです。
酷いところはすこし膿んでしまって、大きなかさぶたになっています。
彼は、下腿の下三分の一ぐらいに急に沢山出てきたため、慌てて皮膚科に行きました。
皮膚科の先生は採血などをしても、はっきりせず、皮疹も改善しなかったため生検をしました。
どんどん悪化してきていたため、診断と治療のため、やむをえなかったのです。
この写真はその後の治療でとても良くなった状態ですが、それでも皮疹のものすごさが分ります。
結果は、ネコ蚤(のみ)によるものでした。
ネコを飼っていなないのに、どうして、ネコ蚤にやられてしまったのでしょう?
RNA干渉、RNAiの業績にノーベル賞が授与されました。
私の所属する医局の横田先生も、C型肝炎の治療におけるRNAiの治療法などで、大きく前進しています。
それらのことについては昨年の9月にブログにお書きしました。
ヒトを作るための情報は遺伝子という図書館にすべてDNAと言う形でしまわれています。
そして、そのDNAはRNAというものに写し取られてタンパク質などに作られていきます。
RNAはそれだけではなく、遺伝子の発現を調節したり、一部のRNAはそのものが酵素の働きを持ったり、様々なダイナミックな働きを持つ事が明らかにされてきました。
Natureのこちらのページに、RNAiの仕組みの良い動画が在ります。
先日、日本とドイツの保険医療システムについての比較を行うワークショップに参加してきました。
霞ヶ関に急がないといけません。
雨が結構強く降っていました。
霞ヶ関から見る東京タワーもいいものです。
暫し、朱鷺色の空を見ていました。
メトロで見かけたかっこいいポスター。
このコンピューターはアップルのibookで、『貝殻型コンピューター』と言われていたものです。
エックス線の画像になっても美しい曲線を描いています。
液晶画面の上部まで延びているのは、たぶん、その当時珍しかった無線LANのアンテナです。
アップルは既に10年前以上に今のコンピューティングシステムを見通し、製品化していたのです。
新クリニックの入り口にはもちろん、アップル社のコンピュータを飾ります。
新松戸には、月間新松戸というコミュニティー紙があります。
御問い合わせが多かったので、二ヶ月前に投稿し、今月号となっている記事を載せたいと思います。
生活習慣病のうち、検診などで指摘されることが多いのは高脂血症でしょう。
スクリーニングでは、総コレステロール(TC)と中性脂肪(TG)、HDLコレステロール(HDL-C)がよく計測されます。
総コレステロールや中性脂肪が正常値よりも高値になると、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが上昇する事が報告されています。
そのため、食生活の改善や運動療法などの環境の整備だけでは追いつかないとき、薬剤が用いられます。
新クリニックに必要なコンピュータを見に、HP(ヒューレットパッカード社)のリアルサイトへ行きました。
ホームページ上では新宿西口となっていたので、地図をよく見ずにビックカメラの中かと思い行った所、『当店にはありません』と言われてしまいました。
HPの連絡先もわからないということでしたので、104で大代表の03-5463-6600を伺い、電話をかけました。(10月3日16時半)
『御社のリアルサイトが新宿西口にオープンされていると思うのですが、場所はどこですか?』
『え?リアルサイトですか?コンピューターの相談ですか?』
『いや、ですから、場所をお聞きしたいのですが。』
『HPにリアルサイトはありません』(断言)
『えっ?昨日御社のホームページで見たのですが、本日撤収されたのですか?』
『え?本当ですか?少々お待ちください。』
その後、延々5分ぐらい携帯を握ったまま待ちました。
『やはり、リアルサイトは無いようです。』
『じゃ、イベント終わっちゃったのかな?確認してもらえますか?そちらに、御社のホームページを見れる環境はありますか?』
『はい、今開いています。』
ここから、なんと大企業にその会社のホームページを教えると言う逆転現象を体験する事になったのでした。
続きを読む "それでも美しいHPのコンピュータ/なんと本社はパビリオンカフェを知らず/大企業の悲しさ/野を超え山を越え" »
SNSの話題で持ちきりですが、8月下旬にコミュニティを告知後に解散し、9月初旬に私は脱会しました。
ここには、
1.ウェブ利用者の滞在時間が長い
2.特定の興味や趣味を持つ人々の集団が形成されている
3.そこを狙い撃ちした商売ができるので商社が注目している
と書かれています。
昼間、アンカフェで内田先生にお会いし、『こどものおいしゃさん』のウエブ用の新しく描きおろした絵をお渡しして、ホッとしたのも束の間。
絵はインドかエジプトにデータが送られ、UNLを用いたウエブサイトになる予定です。
すごい話です。
感動しながら、ランチの時間を追え、午後の外来をがんばって終わらせました。
にわか雨の中、不安な時間を迎えました。
初めてIP20の青山店に行く時間となったのです。
私のコンセプトが実現できるかどうか。
そのキーになるお話をするために伺うことにしたのです。
それは、メタボリズム建築におけるセルのような、一つの単位としてのクリニックです。
与えられた場所がとても小さな場所で、医院の開設場所としては最小単位といってよいほどのものです。
でも、逆に私は、『空間が磨かれる』と思いました。
人々の敬虔な祈りの姿には心を打つものがあります。
何といってもお誘いいただいた講演会が何よりも心打つものでした。
『イスラームは過激なものであるという印象があるかもしれませんし、キリスト教の重鎮の方の不用意な発言もありました。でも、その根底に流れるものは、厳しい自然と神の前では平等という思想なのです。』
というお話から始まったお話はとても素晴らしいものでした。
『そうはいっても、皮肉な事にイスラームの世界で人々の格差が大きいのも事実です。』
その言葉一つ一つに、表層的でない、異文化の人々の間に分け入ってその人々の心の真実を写真に結晶化することに成功した確証が埋め込まれています。
(野町さんから写真のこのブログへの使用を特別に許可していただきました。深謝申し上げます。)