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2006年10月10日 (火)

火の七日間/悲しみの放射能/ヨードの考え方

原子力発電所の爆発などのときの人体の影響は大きく分けると三つあるようです。

1.放出される直接の放射線によるもの
2.放射能を含んだちりによるもの(雨に解けて降下するものを含む)
3.地上の生き物や、地下水に解けて食物連鎖に入り長い年月を経て影響するもの


です。
(専門家によるものではもっと細かく分かれていますが、難しくて理解できない面も在りました。)

このうち、放射能を放出する場所から離れたところの放射能の影響は、大量の放射能物質を含む塵(ちり)によるものと考えられます。

その中でもチェルノブイリ事故を見ると、
放射性ヨードによる影響が大きいように見えます。

こちらに(キャッシュファイル)原子力発電所の事故などの時のヨード製剤によるブロックの意味が詳しく述べられています。

ストロンチウムやセシウムなどの放射性同位元素も放出されるのですが、人体に必要の無いミネラルのため、長期に人体を被爆し続ける影響が少ないようです。

放射線科の先生と明日お話してみます。

人体は不足していると、ヨードを体内に取り込み、甲状腺という組織で人体に必要なヨードを沢山含む甲状腺ホルモンを作ります。

日経DIの今月の連載でも書きましたが、ヨードを沢山含む甲状腺ホルモンは命に直結する大切なホルモンなので、人体はヨードをいつもせっせと甲状腺に溜め込もうとうする仕組みが備わっています。

十分量甲状腺にヨードがあれば、摂取をやめるのですが、通常は使う量と取り込む量がつりあっていると考えられています。

つまり、いつも取り込んで、いつも使っているのです。

大量のヨードを一過性に内服すれば、放射能を帯びたヨード(放射性ヨード)が体内に入ってきても、『もう十分だから取り込みません』と体が反応するため、甲状腺に放射性ヨードが入り込みにくくなるわけです。

日本人はヨードを大量に食物で摂取する国民で、ほとんどヨード不足の疾患を見かける事はありません。

日本人の一日に摂取するヨード量は1.5mgで、十分量です(前述のページ)

余分に摂取する必要はありません。

ただ、放射線事故のような大量被爆時には、100mgを事故直前に摂る必要があります。

これは、(有機、無機を区別しないならば)昆布10gには20mgのヨードが含まれているので、ヨード100mgは50gに相当するヨード量です(こちらをご参照ください。キャッシュファイルです。)

ちなみにこのヨードはどれくらいの量でしょう?

昆布は最も大量にヨードが含まれる食品で、昆布で計算してみましょう。


戻した状態(あるいは海の中から取れたて)を指しているのだとすると、15cmの乾燥昆布1枚が25gになるので、2枚と言う事になります。

昆布巻き4-5個分ぐらいです。

ちなみにヨード卵は一個あたり0.7gですからヨードブロックとすれば無意味でしょう。(ヨード100mg摂るためには140個以上食べる必要があります。)

注:甲状腺疾患でヨード制限されている方は、絶対に大量にヨードを摂ってはなりません。

無い可能性の高い放射性のヨードに怯えて、甲状腺ホルモンバランスの危険を冒す事は絶対に避けなくてはなりません。その方が、命に直結するからです。絶対に避けてください。

(以下の記載は正常な方であり、さらに少し不安に思われている方に向けての記事です。しかも、ヨードブロックを食品でできるかどうかの確証はありません。ご了承ください。あくまで、食品に含まれるヨードを換算すればということです。)

昆布のヨードが人体に全て吸収されるかどうかの確証は無いのですが、ヨードで換算すると、そのような感じです。

こちらに、ヨード製剤の備蓄についてのオピニオンが載っています(キャッシュファイル)。

最初にご紹介したページでは、大きな被爆が無い限り、ヨード大量摂取の悪影響のデメリットの方が勝るので、内服の必要は無いだろうと記載されています。

今回の実験に関しては、報道では大きな影響は無いようです。

あまり神経質になる必要は無いと思います。

大切な事は、放射能を帯びた“塵(ちり)”がやってくるかどうかによると思います。

自衛隊が塵を集めて放射線の分析をしているという事です。

10月10日以降の報道に注目しましょう。

(とりあえず、人体に影響の無い範囲という試算が朝報道されました・・・)

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