集約すると言う事/医療と郵便の類似性
多くの病院が閉鎖して行っていることについては、時々触れてきました。
また、医療システムに経済的な理論の介入が入り込んできて、機会均等性や均一な医療が崩壊していっている事にも触れてきました。
以前、民営化された郵便の未来についても記事を書きましたが、先日、無集配局化によるコストダウンの計画が報道されました。
医療と郵便はとても良く似た経路をたどっています。
例えば、お産ができない地域がこれからも沢山増えていくでしょう。
『医療崩壊』や『ドミノ崩壊』もすすむでしょう。
リコンストラクションの過程と捉えている方々もいますが、カタストロフィーに陥る事は避けなくてはなりません。
このような変化に対し、地域の努力や様々な工夫も重ねられると思いますが、たぶん、地域だけの努力では困難を伴うでしょう。
ある地域だけの問題でなく、大きなうねりの一部だからです。
大筋では医療の集約化が、様々な方向からの風を受けて加速度的に進むと思います。
同時に、医療費の均一性は失われ、様々な私的企業がいろいろなサービスで参入してくるでしょう。
既に、政府は、不足する看護師の輸入策を決定しました。
日本人の看護師さんより、より安い給料で雇用できることが期待されています。
人数の不足というより、コストカットや自費支払い度合いの増加による医療の質の差別化が目的の側面もあるのです。
医療事務の無人化も進めていますし、医師数の更なる減少も進めています。
また、『風邪薬ぐらいは自費で』という議論があった事を記憶されている方もいらっしゃるかもしれません。
お薬代の自己負担増加の日が必ずやってきます。
在宅医療も良い点は沢山有りますが、公費でまかなっていた医療サービスを、経済費として算定しにくい家族の方々の労働力に転化しようと言う面も持っています。
それらは全て公的医療福祉サービスとしての医療費の抑制あるいは停止 という基本的原則から派生したものです。
均一なサービスを高価格で提供する事にピリオドが打たれ、郵便局も再編が行われています。
郵便の集配を特定コンビニエンスストアと組んで行う事も発表されました。
あれほどお花屋さんでもめた私書の配達が意図も簡単に私的企業に委託したのです。
お花に託して、お花やさんが小さなメッセージカードを届ける事も『私書の配達にあたるから』という理由で拒否されるというのに。
かつて公的機関だった巨大なシステムが『さくらんぼ積み』の要領で、私的企業を選別していく事に私は不公平感を感じます。
全てのコンビにではないところに注意を払う必要があります。
また、必要な郵便サービスのため遠方まで行くという構図は、赤ちゃんを産みたくて隣町まで50km以上かけて出かけると言うのと良く似ています。
そして、医療費も郵便費も高額であると言う事でコストカットした事も一緒です。
これからも、医療費も郵政もコストが高騰していると言う事で、コストカットが進むでしょう。
医療者不足と診療科の閉鎖が大量に起きている報道が本日付のNHKで流れました。
実は、医療費は予測に反し、高騰なんかしていないのです。
高齢化社会になり、必要とする人々が急増しているのに、医療費の総枠を減らせばどうなるのか。
費用的に破綻し、耐え切れないところから消滅していくだけです。
ネット上でもそれらの公的情報に触れることができます。
それが、今、顕在化している医療問題なのです。
また、医療の難しいところは、急な舵が切れないことです。
あるシステムが浸透し、動き始めて、人々が利用するまで、数年あるいは10年ぐらいはかかります。
カタストロフィーの氷山が見えてから、舵を切って、逃げ切れるものではない。
この続きは明日また少し触れようと思います。
安心して暮らせるようになるため、為政者の方々に本当にがんばってもらいたいと願っています。
今日は大きな二つのシステムのとても良く似た側面に接し、少し不安になりました。
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