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2006年10月11日 (水)

新クリニックの概念が焦点を結んだ日/カイリュウ

今日、パジェロを作った國本先生、クオーレアモーレの佐藤さんと品川で奇跡的にお会いできました。

先生方は審査や新聞取材を終えて、名古屋へ移動するまでの間に、僅かな時間が生まれたのです。

日本の100色については既に記事をお書きしました。

並行して話し合われた未来型クリニックのお話をしようと思います。

これまでのメディカルデザインはどこを目指していたのでしょうか。

『マテリアルが進化すれば物は変わる。それは皆理解できる。でも、その先に見える星が見えるかどうかは、デザイナー側の感覚だ。』と國本先生はおっしゃいます。

『集学的な智恵が焦点を結ぶとき、その先に星が見える。そして、そこを指差す人が現れる。そして、プロダクトを作る人々が現れる。我々は指差す人になろうじゃないか。』

國本先生はマイクロデバイスの人体への応用を熱く語りました。

人体の熱をジェネレーターとした、様々なセンサーとイフェクターを組み合わせたマイクロ人工デバイス・・・

人工膵臓、癌治療への応用・・・ 私は答えました。

『集学的な智恵っていうのは、こういう作業だね。』先生は笑っています。

そうです、博報堂の方々や、アド系のデザイナーさんや、国連大学の先生と話したときのワクワク感もこの感じでした。 と私は思いました。

そして、一歩ずつ進んできた。

『指差しながら、一歩ずつ私は作って行ければ、と思っています。このクリニックもその一つです。』

私は我に帰りお話しました。

用意したパワーポイントファイルを広げながら、説明しました。

佐藤さんも最新のナノテクノロジーを駆使したコットンのサンプルを見せてくださいました。

しかも、100色の布見本も・・・

なんてきれいな色なんでしょう! そして、それらは最先端のコットン。
まだ、極少数の人しか、この肌触りを実感できていません。
素晴らしい肌触りと色です。

『色や形は自ずと、そのプロダクトの力となるんだ・・・全然力を入れなくても硬いハーゲンダッツに僕のナイフはスッと切り込んで行った。それは、ナイフに加わる力を極限まで計算して作ったからだ・・・』

いつまでも話して居たい気持ちでしたが、新幹線の時間が迫ってきました。

『先生のところの診察券とか、デザインするから。』本当に心強いお言葉です。

プラットフォームに消えていく先生方の姿を見送りながら、私は思いました。

沖縄の透明な海にダイビングしたとき、透明なのに、体が流されるあの感覚。

そこに、潮の流れがあるのです。

白波など立てることなく、透明な水が音も無く移動している。

海流。

眼をつむると感じる加速度。

『今、海流に居るんだ。皆何かの海流に乗っている。』そう思いました。

逆らわずに、先生方の指差す方向へ進んでいけばよいのだろう。

私は品川の駅を横切りながら、透明な海流を思い、人の流れを眺めていました。

(9月8日 テトリスノカケラ)

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