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2006年11月24日 (金)

アンチエイジング/人が年をとるということ

人は年をとります。

いろいろな生き物に共通の事です。

Antiagingmedicine 私はアンチエイジングの日本抗加齢医学会に加入していますので、Anti-Aging Medicineが届きいろいろな面白い記事に触れることができます。

この雑誌の記事の良いところは、非常にアカデミックな記事も同時に載せられているところです。
発刊されて、次第に質が上がってきていると思います。

私は、黒尾先生のKlotho遺伝子のお話がとても有意義でした。

Klotho遺伝子はその部分が壊れてしまうと老化してしまうということから偶然見つかった遺伝子です。

   
Nature 390, 45 - 51 (06 November 1997); doi:10.1038/36285    
 

Mutation of the mouse klotho gene leads to a syndrome resembling ageing

MAKOTO KURO-O*, YUTAKA MATSUMURA*†, HIROKI AIZAWA††, HIROSHI KAWAGUCHI‡, TATSUO SUGA†, TOSHIHIRO UTSUGI†, YOSHIO OHYAMA†, MASAHIKO KURABAYASHI†, TADASHI KANAME§, EISUKE KUMEparallel, HITOSHI IWASAKIparallel, AKIHIRO IIDA¶, TAKAKO SHIRAKI-IIDA*¶, SATOSHI NISHIKAWA?, RYOZO NAGAI†star & YO-ICHI NABESHIMA*star††

数ある遺伝子の中で、その部分が直接老化につながるという発見はほとんど有りません。

老化を制御しているといっても過言で無い大発見です。

それでは、この遺伝子は何をしているのでしょう。

大きく分けると3つ機能があるそうです。

インスリンレセプターの働きの制御、酸化ストレスの制御、線維芽細胞成長因子のレセプターとしての働きの3つの機能が重要とのことです。

インスリン受容体そのものの変異が寿命につながることや、酸化ストレスが老化に関連する事は数多く報告されています。

Klotho遺伝子および、そこから作られるKlothoタンパクはそれらにダイレクトに関連する因子だったのです。

少ない枚数でありながら、非常にすっきりとした文章で数多くの関連文献をまとめられた秀逸な論文でした。

黒尾先生のお話の面白いところは、老化という複雑な機構も一つの遺伝子の変異で変化しうるということです。

つまり、Klotho遺伝子というあるシグナル伝達系の一つの因子が様々な効果を結果的にもたらし、さまざまな老化に関連する因子を動かし、早く年取ったり、年を取りにくかったりするという事が明らかになったということです。

すごくおもしろい。

抗酸化とか低インスリン(低GI)とかを謳う高価なサプリメントもありますが、このように複雑にさまざまな部位に働きかけなければその本領を発揮できない事も意味しています。

非常に重要な発見です。

また、時折お会いし、とても有意義な時間を過ごさせていただく厚生労働省 中村社会・援護局局長さんがいきなり登場されていた事です。

今度お会いしたときにお話しすることにしましょう。

今後も老化についての様々な発見があることでしょう。
睡眠についても同様です。新たな創薬がなされています。より良い形で多くの人々にお知らせできる事を願っています。

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04.栄養運動医療アドバイザー / 医療コラムニスト」カテゴリの記事

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