ささやかな喜び/GCH(gross clinical happiness)
臨床症状がインフルエンザが疑わしく、検査プレートは陰性の方がいらっしゃいました。
私は、念入りに診察し、経過を見てやはりインフルエンザらしいと思いました。
患者さんによくご説明し、お薬を出し、次週おあいすることにしました。
ところが、予定より早く彼はやってきました。
“家族が中耳炎でかかることになりました・・・”と切り出されました。
私は心の中で、“そうかぁ”と思いました。この前の彼の熱は中耳炎を起こしやすい菌か、ウイルスのためであって、インフルエンザじゃなかったのか・・・と。しょんぼりです。
ところが彼は続けたのです。
“先生がプレートは陰性だったけれど、私にインフルエンザのお薬を出した事をその先生に言ったのです。そうしたら、その先生が中耳炎からくる熱だろうけれども、念のため、と高熱を出した家族のインフルエンザチェックをしてくれました。”
私の耳は彼に釘付けです。“それで・・・”
“うっすらとA型に陽性ラインがでて、早期に見つける事ができました。私も翌日には急に解熱し、とても楽になりました。”
“よかったですね!”私は彼の手を思わず握って、握手してしまいました。
“もしも、先生が私にインフルエンザの可能性があると言わなかったら、その先生もインフルエンザチェックはしなかったと思います。”
彼が良くなったのもうれしいし、私がまだお会いしていないご家族も元気になられてよかった。
そこに日々の小さな幸せがあるのだと、今、噛み締めています。
昨日のブータン風にいうなれば、クリニック幸せ指数(gross clinical happiness:GCH)といった所でしょうか。
幸せは足下にあるものです。
素敵なエピソード、ありがとうございます。
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