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2007年3月29日 (木)

若い先生方へ・あるいは医学生さんへ

医学はどの分野でもものすごく速い速度で変化しています。

私はその中でも、神経内科と言う分野を、若い先生方やこれから進路を決める学生さんに選択してもらいたいと願っています。

私が神経内科を選択しようとした10年前ぐらいには、さすがに気脳写は有りませんでしたが、『脳や脊髄なんて分らないし、治らないものを選択するなんて物好きだね』と先輩医師に嫌味をいわれたものです。

それがどうでしょう、脳の中をMRIで調べる事は普通になりました。

こちらの記事をご覧ください。

以前、ワイス社が同じような抗体療法を開発しましたが、自己免疫性脳炎により治験を中止してしまいました。日本で、そういった副作用が無い治療方法が開発されたのです。

ワイス社の治験は副作用で中断されましたが、有名な結果を残しました。
それは、他の疾患でなくなられたアルツハイマー病の治験参加者の脳ではアミロイド沈着が軽減していたのです。

今回の報道は、ウイルスベクターを用いた腸管免疫の利用による最先端の技術の結果です。自己免疫性脳炎の発症がほとんど無いことが報告されています。

私は、アルツハイマー病の治験薬の臨床治験に携わった事がありますが、アルツハイマー病の治療が始まるなら、間違いなくその主役は神経内科医になるでしょう。

米国では最もマーケットの大きい分野の一つとして大変に注目が集まっています。

脳梗塞のtPAのように、循環器血管内科のようなお仕事をする神経内科の先生も増えてきました。パーキンソン病の治療薬もとても増えてきて、その種類やさじ加減の調節も大切なことです。

片頭痛の治療の進歩にも眼を見張るものがあります。
メタボリックシンドロームの合併症としての脳疾患を診れるのは神経内科です。

クリニックにも脊髄小脳変性症の患者さん方が増えてきました。

神経内科医の仕事はとても増えています。
1.神経学の発達とMRIなどの検査技術の進歩による疾患検出率の上昇による患者さんの著増
2.医療の進歩により治療方法が開発され臨床応用が広がっている
3.高齢化社会が加速する日本における社会的要請

神経内科は様々な内科疾患の基礎から起きてくる神経異常を診なくてはならないため、幅広い内科の知識が必要です。逆に言うと、そうであるから、私のように内科専門医を大変に若いうちに取得する事も可能です。横断的に内科を診る事が求められるからです。

また、その基礎分野の研究は大変に面白い。
脳の生理学者さんが、脳トレーニングといってテレビやゲームで大活躍していますが、臨床の現場で脳の生理学を毎回カンファランスしているのは神経内科だけでしょう。
脳卒中による神経症状を毎回ディスカッションするので、脳の生理学を避けて通る事ができないわけです。

また、筋肉の疾患もあり、小林先生(現 中野総合病院)緊張性ディストロフィーの筋肉の培養による結果にはワクワクさせられました。神田先生のグループは血液脳関門の主役である大脳脳血管バリアー内皮細胞の継続培養をヒトの生体から採取した検体で初めて成功させ、私もその研究に携わりました。
私の所属する東京医科歯科大学神経内科では新規の遺伝性脊髄小脳変性症の解析も進んでおり、様々な発表をつづけています。

医局では、女医さん率も上昇していて、出席するたび会合が華やいでうれしく思っています。ご結婚、出産後、復活される先生も多くて尚うれしいです。
それでも、今後、患者さんの急増に比して、なかなか選択してくださる若い先生が居ないのが現状です。

大きな病院へ勤めても、基礎研究を行っても、クリニックに勤めても、いつでも社会のお役に立てる神経内科。現状を打破し、未来の医療を目指す医師なら、興味がそそられるはずです。

是非、今後の進路の一つにお考えいただけると幸いです。御問い合わせはこちらへどうぞ。 私のクリニックへいらしていただいても良いです。終末期医療の徳永先生へのご案内も申し受けます。

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