次を見つめる事・その1
次の未来を先取りしすぎで笑われてしまう事が多いのですが、少しずつ形になると、喜んでもらえる事が多いです。
神経内科を選んだ時、tPAで脳梗塞治療ができるようになるとか、脳の様子がMRIで分るようになるとか、高齢社会が進んで物忘れやパーキンソンの治療が増えてくるとか、誰も予想していませんでした。
先輩も教えてくれず、神経内科について、ただただネガティブな話しばかり伺いました。
でも、私は中枢を診る内科をやりたかった。
胃ろうのスキンケアの論文を書いた時も、『皮膚科領域だよね』と、神経内科学会でお話ししたときに冷たく言われた事もありました。
数年前、パーキンソン病患者さんの鬱についてお話しした時には、『パーキンソン病患者さんは体が動かせないから落ち込むのであって、鬱は絶対にない』と壇上から批判されたことがありました。
どちらも今大きな問題になっていて、胃ろうの皮膚から胃まで世界で初めて連続病理学的所見を記載した私の論文は沢山引用されています。
パーキンソン病のお薬は抗鬱作用を盛んにコマーシャルする様になりました。脳内のドーパミンニューロンだけでなく、セロトニンニューロンの異常の報告も増えています。
頭痛の診療を始めた時も、2年ほど前に本を書いた時も、今と様相は異なり、注目度もとても低く、「頭痛の人ってそんないないよね」とか、「この地域に片頭痛無し」と先輩に太鼓判(?)を押されたり同業の友人に心配されました。
私は救急医療から、一般診療、大学病院、在宅で診療を続けていたので、沢山の患者さんを拝見し、その現場で起きている事を患者さんと悩んで来ただけでしたので、壇上の先生方よりブレが少なかったのではないかと思っています。
昨年の夏から、様々な職種の友人達とワイワイ話しながら、お金のあり方の変化や、ポイントとして流通している金額がとても増えている事をお聞きし、クリニックの御支払いも変化すべきだという思いをさらに強くしました。
医療機関のお支払いが現金のみというのは、ひどい話です。
クレジットカードは若者では持つ事ができませんし、小額お支払いが沢山行われる
小さなクリニックでは時間がかかり、煩雑過ぎます。
今、持ち合わせが無くても、スイカやパスモにお金がチャージされているという事もあるでしょう。
でも、誰にお話しても「物好きだねぇ」といわれるだけでした。
私は、JRの方々にお会いする機会を得て、一生懸命クリニックの中でスイカの果たす意味についてお話しました。
パスモに進化し、シームレスにツナガル事をその後知ることになり、さらに、この記事を拝見した時には涙が溢れそうでした。
私がスイカを導入しようとした、2年前の時点ではその意味に耳を傾けてくださる方はほとんどありませんでした。昨年、少し風向きが変わり、JRの素晴らしい方々にお会いする事が可能となり、導入できたのでした。
イスも暖房も無いできたての秋葉原駅クリニックで、お立ちいただいた状態の偉い方々に、立ち話で熱くプレゼンした日を思い出します。
(つづく・・・)
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