米国内科学会の翻訳のお仕事
American College of Physicians Japan Chapter では、米国内科学会の機関紙である、Annals of Internal Medicineの翻訳作業を会員で手分けして翻訳紹介する作業をはじめました。
私は、Publication Committeeの端くれとして少しだけ御手伝いしています。
まだ、テストページですが、公開されています。医学生さんに是非読んでいただきたいと思っています。また、内科専門医のライセンスを持っているの方々に是非とも入会をお勧めしたいです。これらの情報はとても有用です。
私の時にはCVを作成したり大変でしたが、今は簡素化されています。
私の部分をご紹介いたします。バックナンバーで145-1号へジャンプしていただけると読むことができます。
可逆性の脳の血管収縮による頭痛の記事です。訳していて私も大変に面白かった記事です。片頭痛の治療の上でも大変に有用な記事でした。
体験談的レビュー:可逆性脳血管収縮症候群
Narrative Review: Reversible Cerebral Vasoconstriction Syndromes
Leonard H. Calabrese, DO; David W. Dodick, MD; Todd J. Schwedt, MD; and Aneesh B. Singhal, MD
2 January 2007 | Volume 146 Issue 1 | Pages
34-44
可逆脳血管収縮症候群(RCVS)は,可逆性の多発性脳動脈の狭窄による神経脱落症状を伴ったり,伴わなかったりしながらの(雷鳴の様に)突然の激しい頭
痛により特徴付けられる疾患である
.可逆脳血管収縮症候群は若年者に多く,脳梗塞や脳出血を合併する可能性があるため,臨床上重要である.RCVSの鑑別診断として,
thunderclap
headache(雷鳴の様な頭痛)と,アテローム性動脈硬化や脳動脈炎の様な非可逆性あるいは進行性の脳動脈狭窄によって引き起こされる状態がある.臨
床症状や動脈造影像が近似しているため,原発性脳動脈炎や動脈瘤性クモ膜下出血に誤診されることが多い
.しかし,これらのより予後不良な疾患とは異なりRCVSの経過は通常一過性である.というのも,頭痛と血管収縮は数日から数週間で緩解するからである.
このレビューにおいて ,我々は現時点でのRCVSの理解,つまり,RCVSの臨床,検査,画像上の特徴および診断的評価方法と治療方針を概説した.
(翻訳: 大和田潔)
原文は以下のようなものです。
Reversible cerebral vasoconstriction syndromes (RCVS) comprise a group of diverse conditions, all characterized by reversible multifocal narrowing of the cerebral arteries heralded by sudden (thunderclap), severe headaches with or without associated neurologic deficits. Reversible cerebral vasoconstriction syndromes are ・・・
若い先生方や医学生さんが、多くの医学情報に触れることが容易になるようにとの事から始まりました。全国に散らばる先生方が、忙しい仕事の合間を縫って、非常にタイトなスケジュールを事務局さんが厳密にコントロールして作り上げているものです。
インターネットの普及はこのような素晴らしい作業も可能とさせてくれています。
日本と同じ悩みのこともありますし、全く違う視点のことも有る。
大変に有益なお仕事なので、がんばって続けようと思っています。
4月の内科学会総会では、Publication Committeeの先生方とお会いする予定で、楽しみにしています。
« Suica/Pasmo/秋葉原駅クリニック/アサヒコム(Asahi.com)に掲載されました | トップページ | 忙しかった一日 »
「01.鹿児島の薬剤師 笹川だいすけ」カテゴリの記事
- 3分でわかる!かぜ薬ではカゼ治らない?(2021.04.06)
- 3分でわかる! なぜワクチンが必要なの?(2021.03.23)
- 3分でわかる 今さら聞けない!ウイルスと細菌の違い / 鹿児島の薬剤師 笹川だいすけ 2(2021.03.07)
- 笹川先生の動画公開! / 始まりの日(2021.02.28)
- TV番組の収録 / 栄養アドバイザーとして(2020.09.28)
「04.栄養運動医療アドバイザー / 医療コラムニスト」カテゴリの記事
- ラグビーとサッカーと成人式と / 出版記念のリモート配信(2021.01.11)
- 朝のスタートダッシュ / 一つ一つの作業が生活そのもの(2020.10.29)
- テレビ番組の収録を終える(2020.10.07)
- TV番組の収録 / 栄養アドバイザーとして(2020.09.28)
- 雇用をまもることは、仲間を守ること(2020.06.01)
「03.頭痛、神経内科」カテゴリの記事
- 夏の頭痛について取材にいらっしゃいました(2020.06.17)
- 「脳を守る」という軸足(2020.03.21)
- 片頭痛治療薬ウブレルビーUBRELVYが米国で認可されました(2020.03.09)
- 医療者向け講師の収録を行う日常(2020.03.01)
- struggle to find the stars / 新しい扉を開く / 未来をつくる(2019.08.29)
「02.お役立ちの話題」カテゴリの記事
- いつも通りの生活 / 美味しいローストビーフの作り方(2021.04.09)
- 1500億円のマンボウ / コロナより怖い貧困による安全性の低下 / なぜか治療ベッド数を減らす東京と大阪(2021.04.08)
- 良いビジョンをもって再興していこう / 乗り越えていこう(2021.04.07)
- 職場に戻る戦士 / 為政者の器(2021.04.02)
「16.講演会/取材など」カテゴリの記事
- テレビ番組の収録を終える(2020.10.07)
- TV番組の収録 / 栄養アドバイザーとして(2020.09.28)
- 一段落して息を整える / 新しいものを作りだし社会に還元するために(2020.09.13)
- 松任谷正隆さんとのセッション(2020.09.06)
- NieR: イニシエノウタ / 中高生新聞の校正(2020.08.29)
この記事へのコメントは終了しました。
« Suica/Pasmo/秋葉原駅クリニック/アサヒコム(Asahi.com)に掲載されました | トップページ | 忙しかった一日 »
コメント