苫小牧保健所と北海道庁、裁判所の行うべき事
食肉の安全性が脅かされています。
幾度も内部告発があり、改善の余地があったものの、監督省庁は問題無しとしてきました。今回、問題が明らかになりましたが、これまで彼らは立入検査までして、自分達の責任のもとにこの工場は問題無しと判断し続けてして来た訳ですから、その主張を最後まで続ける必要があると思います。
しかも複数回行ってきた。
メディアが騒ぎ始めて、既に市場で危険のある物が消費された後に、『後だしじゃんけん』を行うのは問題です。
また、人の呼吸を守る気道は軟骨で囲まれたジャバラ構造を取っており、間違えて外力で閉塞してしまう様な柔らかい物ではありません。軟骨は簡単にはつぶれない。
呼気中アルコール濃度と泥酔度がリニアではない事も以前お話ししました。
どんな荒唐無稽な主張をおこなっても、法医学的な科学的所見がその真実をロジカルに論破してくれるでしょう。
論理の破綻を防ぐためには、科学的な観察眼が必要という事です。
健康食品の中でも、絶対に吸収されないもの、アミノ酸にまで分解されてしまう酵素などのタンパク質の機能をうたう物、腎障害を起こしかねない金属類・・・すべて科学的に考えれば誤りと分かります。
もし、保健所や道庁そういった安全を判断すストラテジーが欠如していて、本来の機能がまったく発揮できなら、明日にでも作るべきでしょう。存在する意味がありません。そして、もう一度、見逃さないやり方を作り直したのなら、それを公開すべきです。北海道産の物産の信頼を回復するためにも。
そうででなければ、同様の事がまた繰り返される。北海道の真面目な食肉業界さんにご迷惑をかけ続ける事になります。
組織行動の「まずい!!」学―どうして失敗が繰り返されるのか
樋口 晴彦
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少なくとも、今回、ミートホープ社は道庁の許可のもと食品を製造していたのですから、その点が最も重要です。道庁は何年にもわたり、内部告発を否定し、この会社が安全な食品を作るとしてきたのですから、会社を守る会見を開いていも良い位だと思っています。責任のありかたは、其の時の担当者を特定できる訳ですから、きちんと責任の所在も明らかにできるはずです。
もし、システムに間違いがあり、個人の責任に帰することができないなら、そのシステムの改変を行えばよいのです。今回のことは「失敗学」からも、大変重要です。
真理を明らかにする裁判の過程が正しいものであったか否かも失敗学の見地から大変重要です。
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北海道が大好きなだけに、今回の保健所や道庁のずさんな対応には大変に残念な思いがします。本当にまじめに牛を育てている人々を知っているだけになおさらです。
論理的な思考こそが、こういったリスクマネージメントには不可欠です。
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