頭痛薬と皮膚の赤み/薬疹/頭痛外来でよく出会う日光過敏型薬疹
胸のところに赤い発疹が出ている方が何人かいらっしゃいました。
お話をお伺いすると、市販の頭痛薬を飲まれている方々でした。
それでは、なぜ、えりもとの首周りだったのでしょう?
実は、こういった皮膚の赤みは、日光過敏型薬疹と考えられます。
痛み止めでよくおきるものです。
日光過敏型薬疹は、これからの夏、気をつけるべき発疹(皮膚のぶつぶつ、赤み)のひとつです。
薬を飲んで、体での反応が起きて、皮膚に出てきた発疹を薬疹と呼びます。
日光過敏型薬疹は薬を摂取しその後、光を浴びることで出てくる薬疹です。
いろいろなメカニズムによって引き起こされるのですが、
内服した薬剤が直接日光の影響で皮膚に障害を起こすメカニズム
薬剤と体内のたんぱく質が光により結合しアレルギー反応が起きるメカニズム
など様々な経路が明らかになっています。
内服薬だけでなく、解熱鎮痛薬の湿布を足に貼っていて、はがした翌日にゴルフへ行き、貼ったところに応じて数日後、ひどい赤みが出てしまった方を経験したことがあります。
薬剤が皮膚に浸透していて、それが皮膚障害を起こしたのです。
「首から襟元にかけてが赤いですよね。」とお話しすると、
「あ、本当だ。気がつきませんでした。そういえば少しかゆかったのですが・・・」とおっしゃる方が多いです。
日光の当たる首回りに日光過敏型薬疹の発疹が出ていたわけです。
痛み止めを一時控えていただいて、代替のお薬に変更したり、日光にあたらないように気をつけていただいたりして幸い悪化していません。
夏に向かう、この時期。
特に女性の方は皮膚が敏感で、アレルギーを起こしやすいものです。
痛み止めや高血圧の薬による日光過敏性薬疹には要注意です。
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