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2007年9月17日 (月)

長谷川 真理子先生の講演

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長谷川 真理子

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鹿島先生に引き続いて拝聴した、長谷川真理子先生のご講演は大変に興味深いものでした。

それは、問題を解決する時のネットワーク型思考とコントロール型思考についてです。

長谷川先生は動物の進化の上での人間の生き物としてのあり方をお話されました。私は、医学部において解剖学や組織学などで他の生物との共通の部分や異なる部分を学び、人を癒す仕事をしてきましたので、大変に興味ぶかかったのです。

四足だった哺乳類は、イルカやクジラなどとなり海へと、コウモリなどになり空へとフィールドを広げました。

樹の上にフィールドを広げたものがサルの仲間達です。

ヒトの祖先は樹の茂る森の中で、二本足となり、速度早く歩けるようになり、平地へとフィールドを広げました。

脳では、前頭葉が発達し、何とか母体から生まれるほどの脳の大きさを持つ生き物へと進化しました。
同時に、脳の発達に時間がかかるようになり、子供の時代がとても長くなりました。
これほど、子供の時間が長い生き物はヒトの他には無いとのことでした。

多くの生き物は哺乳の時期が終わると、自前でエサが取れるようになり、一人前になって行きます。ところがヒトは10年以上かかる。下手すると20年かかるかもしれない。

もう一つの特徴は、生物学的に女性が長命で強力であるということです。自分の必要なエネルギー量と環境から獲得するエネルギーの差がポジティブになるのは、壮年期の男性と育児の終わった女性であるとのことでした。

そうした手間のかかる子供を育てるためにも、強力な年長女性の助けを借りた社会が形成されてきたとのことです。

子供は言語が後になって発達してきます。
そのため、ヒトはもともと、非言語的な共感を元にしたネットワーク型思考を発達させます。

その後、さらに環境を理解し、より良く利用するため、物事を単純化し分析するコントロール型思考を発達させます。

そうして、成長したヒトはネットワーク型思考とコントロール型思考を組み合わせて生きていきます。

人々に役に立つ、あるいは社会で有用である、というのはとても難しい問題です。

でも、私は、人々の間の共感というものを信じています。
コントロール型思考と、共感に基づくネットワーク型思考をバランスよく兼ね備えた医療が大切だと感じました。

鹿島先生が行っている、エンカウンターという手法は、コントロール型思考のみに傾きつつある子供たちに、まさに、ネットワーク型思考を伝える手法なのかもしれません。
それが、しなやかな社会性をはぐくむ事になる。

この御二方のお話は私の中の宝物となりました。
ほんのわずかなお礼をこめて、デザインしたTシャツをお送りすることにしました。
本当にありがとうございました。

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