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2007年12月12日 (水)

たくさんの方々とたくさんのお話をしました

先週からたくさんの方々とお会いし、たくさんのお話をしました。

診療が始まる前にお会いし、お昼時間にお会いし、診療後様々な所へ伺いました。
クリエイティビティの高い一週間でした。

志の高い方々も多く、励まされる事も多かった。

ただ、個人の努力ではなし得ない事もあり、静かな絶望感も漂っているように感じました。

道路を造るために70兆円近いお金を毎年日本は使っています。

国民の命を守る総医療費はわずか3兆円です。
このお金で全ての保健医療が行われていて、現場では毎年削減する努力が行われています。
ガーゼをどんどん小さくしたり、医療器具を安いものにしていったり、本当に涙ぐましい小さな努力が現場では行われています。

もし、道路を造り、そのお金で国民の収入が上がり、人々が自分で様々な医療サービスを購入できるなら、いくらでも道路を造れば良いと思います。

でも、そうで無いのなら、どんどん人々は元気をなくします。
そして、医療インフラはほころんでいってしまいます。

私が昨年『ドミノ崩壊』、『ドミノ辞め』と名付けた現象が報道されるようになりました。

ドミノ辞めはこのような事です。

医療者の資質とか努力不足などではなく、国の定める診療報酬額では、病院自体がシステムとして成り立たなくなっている事を示しています。

日本も、国民総幸福量(Gross National Happiness)が多くなるような政策をとるべきではないかとの思いを強く持ちました。

美術館のお話をされた先生もいらっしゃいました。
日本の美術館は立派で美しい。
でも、内容が大変に乏しく、哀しさすらただよう。
建築物は優れたデベロッパーが創るから美しい。
でも、中身を創る人間に思想がないために空虚になっている。
そういったソフトを見極める人間すらいないのかもしれない・・・
箱ものだけを讃える国民もまた貧しい。
というお話でした。

人々の生活を支えるものはソフトです。
ハード的なインフラはもう要らないという人々も多いのではないでしょうか。
ハードは最小限で良いと思います。
人々が元気で、活発に生きてこそハードを使い、そのハードからお金が生まれます。
ハードを創れば国民が元気になるというのは本末転倒です。
様々な公的リゾートが破綻していった事がそれを示しています。
ソフトが優れていない箱ものは決して人々を幸福にしません。

いろいろな事を考えさせられた、慌ただしい一週間でした。

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