骨から見る生物の進化 EVOLUTION(フランス)/骨の美しさ/ヒトの立ち位置
骨から見る生物の進化 J・ド・パナフィユー(著) X・バラル(監修) P・グリ(写真) 河出書房新社 2008-02-20 売り上げランキング : 2249 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この本は、骨格から生物の進化を説明していったものです。
写真の横には詳しい学術的な説明が掲載されています。
『漁師と魚屋と動物学者は、こんにち、2万5000種以上の魚を確認している・・・』といった面白い説明が満載です。
この写真には、カレイやヒラメが片側に体が寄っていく説明が載っています。
フクロウの話、シーラカンスの話、ヘビの話、牛たちの話・・・
ハリーポッターにも出てくるフクロウの話は本当に面白かった。
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生物たちの進化について骨の話を軸に進めていきます。
私が勉強した解剖学の本には、もちろん、人の骨格についてしか記載はありませんでした。
グレイの解剖学書をそばに置いて、この本を見比べると非常に面白い。
(私の時代は分冊の緑色の地味な本でしたが、今ではこんなにカラフルになっています。)
著者を含め、骨格標本もフランス国立自然史博物館やモナコ海洋博物館所蔵のものといったフランス圏を中心とした本です。
少し高価に思えますが、内容だけでなく、モノクローム写真が上質に映える最上の反射の少ないコート紙の質、精細な印刷品質など通常なら2万円はしてしまう本です。
様々な動物たちの骨は数百年色あせることなく、観察者に様々な物を教え、こうして私にさらなる知識を与えてくれています。
時々ページをめくるたび、ヒトというのは世界の生き物の中の一つに過ぎないのだな・・・と思います。
人間と自然と対比で考えやすいのですが、自然の延長の中にヒトが存在することを実感できる本です。
冒頭に、ヒトの骨格を変形させると・・・それだけでウマになる という1753年のビュフォン(博物学者)の記載があり、馬に乗る人の骨格標本が掲載されています。
骨格から見ると大きな違いは何もない。
それが全てを物語っています。
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