『痛まない』は『傷まない』ではない/頭痛連発を避けるために
片頭痛は最初、月に数回ぐらいです。
『痛み止め飲めば治るからいいわ。』と、痛み止め1回で改善といった感じです。
ある日、頭痛薬を飲んでもまた痛む時が出てきます。
痛み止めを飲んで寝ると翌日はよくなっているので、『ちょっと今日は2回も飲んでしまったけど、ま、いっか。』と思います。
そして、頭痛薬を飲んでも良くならない時が来ます。
『あれ、効かないなぁ・・・』
そう思っているうちに、毎日の連発に発展してしまいます。
『痛み止めこんなに飲んでも治らない・・・どうしよう・・・』(ぐすんぐすん・・・)
もし、頭痛薬が頭痛を良くしているのなら、同じ日にもう一度飲まなくてはならなかったり、翌日も痛いと言うことはないでしょう。
頭痛薬は頭痛を良くしてはいないのです。
頭痛薬は、『副作用』にも書きましたが、痛み物質を作るCOXという酵素の阻害薬です。
痛み物質を作りにくくすることで、痛みをマスクしているだけです。
片頭痛発作は、脳血管や神経に負担がかかっている状態です。
痛み物質を抑えて、痛みが和らいだとしても、負担を取り除いたことにはなりません。
痛み止めを飲んで、痛みがマスクされて『よくなったから、ま、いっか。』と思っている間にも、脳への負担は次の頭痛の準備を始めています。
つまり、(頭が)痛まない=(脳や脳血管が)傷まない ではないのです。
連発してしまう前に、治療すると早く良くなります。
痛み止めを飲んでも治らない頭痛を自覚したり、頭痛の回数が増えてきてしまったときが治しどきなのです。
« ubuntu/ウブントゥの導入/さようならvista | トップページ | AALTO/美しい本/北欧デザイン »
「03.頭痛、神経内科」カテゴリの記事
- ALSが治る未来 / チロシンキナーゼ阻害薬 ボスチニブ(2021.10.02)
- 肩こり体操 / テレワークの合間に(2021.08.13)
- 夏の頭痛について取材にいらっしゃいました(2020.06.17)
- 「脳を守る」という軸足(2020.03.21)
- 片頭痛治療薬ウブレルビーUBRELVYが米国で認可されました(2020.03.09)