林原社長/週刊文春・仕事の話
岡山で水飴を作られている林原社長さんのお話が文春に載っていました。
冒頭、デンプンからブドウ糖やマルトースを作る事で発展されてきた会社であることが話されます。
今、本の原稿を書いているのですが、私たちが微生物から得た薬剤は多いです。
微生物がもつ酵素反応が人類に与えてくれたものは大変に大きい。
フグ卵巣毒の難攻不落のテトロドトキシンですら、数年発酵させると分解され、酒のつまみになる名産物になっています。
多くの抗生物質も酵素反応で作られた物を生成して作られました。
高脂血症の薬も二段階の微生物発酵で作られています。
林原社長さんのお話は2つの点で非常に面白い話題でした。
一つは通常困難と言われていたデンプンからトレハロースを作り出す微生物を探り当てたというお話。
もう一つは重要だと思われる物を、短期的な利益とは別にきちんとやり続けることです。
水飴をつくる酵素発酵からマルトースを作り、狂牛病の恐れのある牛のコラーゲンではない植物性のカプセルの素材を作り・・・と言った点です。
この素材は狂牛病が騒がれる遙か前から、植物性ゼラチン質の重要性を研究して得られた物です。
動物、あるいは別な人体由来のものを体内に投与するのとは全く正反対の考え方です。
現在は長い目で見て大切な物を作っていこうと考えられているようです。
株式公開して短期的な利益が追求される会社とは一線を画している事から得られる利益についてかかれていました。
同じ文春の中の「強欲資本主義」についての記事と比較すると面白い内容だと思いました。
今後、新しい物を作っていく、社会が育っていくと言う中で重要な点がいくつも含まれている記事だと考えられました。
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