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2009年5月 2日 (土)

一方的なgoogle/谷川さんの感じる危機感

ストリートビューのときもそうでしたが、どうもgoogleは一方的過ぎると思います。

谷川さんらが危機感を発表しました。

彼らは、「人間の作り出したもの、自然に存在するものはすでに全てオープンなのだから、全てに索引をつけて検索できるようにして、何が悪いのか」と考えているようです。

実際、ストリートビューの時には「道を歩けば周りの風景がみえるだろう。それをインターネット上で再現しただけ。」と回答したといわれています。

それでは書籍は?

文章や詩は作者が命を削るようにして、紡ぎだしたものです。

これまで、心待ちにしていた本を購入し、扉を開き、その時初めてそこから文字がつむぎだす世界が薫り立ちのぼる、という世界に私たちは住んでいました。

作者と読者の信頼関係に成り立つものでした。
芳醇な森ともいえます。

ところが、そこにgoogleというブルドーザーがやってきた。
液晶画面に世界の文学の文章全てを表示させようという意思を持って。

「すでに表出されたものに、住所をつけていくのが私たちの使命。作者たちはいろいろ作っているけれども、『住所をつける』事はしていないでしょ。それじゃ、世界中の人々がインターネット上で探せない。不便すぎる。じゃ、僕らが骨を折ってボランティアで検索できるようにしてあげますよ。」
頼まれもしないのにやってきたようなものです。

インターネットで公開され、無料。そのことはイコール中立なのでしょうか。
いえいえ、違います。

ある人が原野を切り開き、住所をつけていき、住所管理人になったとしましょう。
そこを訪れた人々は住所管理人に訪ねなければならない。
彼がどこに何があるか、知り尽くしているのであれば、なおさら彼に聞かなければならない。有料にするかもしれない。
実質上、住所(アドレス)を振った人が未開の地を支配するのです。

今回のことの解決策はなんでしょう?

私は、日本の文学は日本人が管理すればよいと思います。
googleにシームレスに接続するシステムを提供すればよいだけです。日本の地には日本人が
(必要な所だけ)住所を付けましょう。

だって、日本人がつむぎだしたこの土壌にどうやって住所を振るかは自由なはずです。
あるいは、住所を振らないで未開の地のまま放っておくという自由もあるはずです。
支配を嫌がるフランスの人々なんかも嫌がるんじゃないかと予想しています。
『私たちがやるから放っておいてくれ』と。

理論的に考えれば解決策はあるはず。
拒否するだけでなく、対応策を考えることが重要だと思います。

人間が命を懸けてつむぎだした文章の森に勝手に住所をふっていく。
その地域の人々で享受してきた喜びの地が踏み潰される。
そこに危機感を持つのは当然だと考えます。
谷川さん、がんばれ。

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